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一年の宝物  作者: ゆみ。
12/37

ゆめ



旅館の夜

部屋の電気が消え、

男子部屋は布団の rustleガサガサと、

遠くの波の音だけが聞こえていた。


颯「おやすみー!」

理人「うるさい」

健斗「Good night」

翔太「……おやすみ」


翔太は布団に潜り込み、

天井を見つめたまま目を閉じた。


(……雫華、今日も綺麗だったな)


白いワンピース、竹林での光、

夜の散策での横顔。


胸が落ち着かないまま、

翔太は眠りに落ちていった。


---

気づくと、翔太は旅館の廊下にいた。

夕暮れの光が差し込む、静かな廊下。


その先に──


**雫華が立っていた。**


白いワンピースのまま、

髪がふわりと揺れている。


雫華「翔太」


翔太「……雫華?」


雫華はゆっくりと近づいてくる。

足音も、息遣いも、やけに鮮明だった。


距離が縮まる。

翔太の胸が跳ねる。


雫華「今日ね……楽しかったよ」


翔太「……俺も」


雫華は翔太の目をまっすぐ見つめた。

その瞳は、夢とは思えないほどリアルで。


雫華「翔太って、優しいよね」


翔太「っ……!」


雫華の顔が近づく。

息が触れそうなほど近い。


翔太(……これ、まさか)


雫華の唇が、

ほんの少しだけ動いた。


あと数センチで──

触れそうになった、その瞬間。


---


翔太「……っ!」


目を開けると、

旅館の天井が見えた。


翔太「……夢、かよ」


胸が痛いほど跳ねている。

夢の中の雫華の声が、まだ耳に残っていた。


翔太(なんで……あんな夢見てんだ俺)


隣の布団では、

颯が豪快に寝返りを打っていた。


颯「すぴー……むにゃ……」


翔太「……お前じゃねぇよ」


布団をかぶり直しながら、

翔太は小さく呟いた。


翔太(……夢の続き、見たかったな)


---


雫華「翔太、おはよう」

翔太「っ……!」


雫華はいつも通り、

無自覚に綺麗で、無自覚に距離が近い。


翔太(……夢のせいで、まともに顔見れねぇ)


颯「翔太、顔赤いぞ?」

香奈「寝汗?」

日向「風邪?」

健斗「He’s nervous」

理人「青春だな」


翔太「うるさい……!」


でも、誰にも聞こえないくらい小さく、

翔太は呟いた。


翔太(……夢じゃなくても、あんな距離になれたら)



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