夜の秘密
浴衣姿の女子たちが布団の上に集まっていた。
日向「はぁ〜〜お風呂気持ちよかった〜!」
香奈「日向、髪サラサラじゃん」
はるか「私、のぼせそうになった…」
優里「はるかはいつもギリギリだね」
雫華「……眠い」
香奈「寝る前にやることあるでしょ」
雫華「なに?」
日向「恋バナ!!」
雫華「……え?」
香奈「まずは今日の“あれ”だよ、あれ!」
日向「翔太くんとぶつかったやつ!」
はるか「すごい近かったよね…!」
優里「雫華さん、あれはさすがに意識したんじゃ…?」
雫華は首をかしげる。
雫華「え?別に。事故でしょ?」
女子全員「無自覚ーー!!」
日向「いやいやいや!あれは青春イベントだから!」
香奈「翔太、めっちゃ赤くなってたよ?」
雫華「そうなの?」
はるか「そうだよ!すっごく!」
雫華は少し考えて──
雫華「……でも、翔太が支えてくれたのは嬉しかった」
女子全員「きゃーーーー!!」
雫華「なんで叫ぶの?」
香奈「雫華、それはもう“意識してない”って言えないよ!」
雫華「意識してないよ。翔太は友達」
日向「そこはブレないんだ…」
優里「雫華さん、恋愛に関しては本当に動かないね」
雫華「恋って…よくわからない」
女子全員(そこがまた強い…)
---
香奈「じゃあ次は日向!」
日向「えっ、私!?」
はるか「日向、好きな人いるんでしょ?」
日向「な、なんでわかるの!?」
香奈「わかるよ。今日ずっと誰か見てたもん」
日向「うぅ……」
優里「誰なの?」
日向は枕に顔を埋めながら言う。
日向「……同じクラスの人。
優しくて、笑うとかわいくて、
話すと落ち着く人」
女子全員「おおおおお!!」
雫華「誰だろう」
香奈「翔太じゃないよね?」
日向「違うよ!翔太くんは雫華でしょ!」
雫華「え?」
香奈「ほら無自覚!」
女子部屋は大騒ぎだった。
---
男子は男子で、布団の上に座っていた。
颯「よっしゃー!恋バナしようぜ!」
翔太「なんでそうなるんだよ」
理人「颯が言い出すとろくなことにならない」
健斗「I agree」
---
颯「で、翔太。雫華のことどう思ってんの?」
翔太「ど、どうって……別に……」
理人「顔が真っ赤だぞ」
健斗「He’s not convincing」
翔太「いや、あれは事故だし!支えただけだし!」
颯「でも“支えた位置”が危なかったよな〜」
翔太「やめろ!!」
翔太は枕で顔を隠した。
翔太(……近かった。心臓、やばかった)
颯「でもさ、雫華ってさ、今日ちょっとだけ翔太のこと見てたぞ?」
翔太「……え?」
理人「気づいてないのか」
健斗「鈍感だな」
翔太「……いや、そんなわけ……」
でも、胸が少しだけ熱くなる。
---
理人「じゃあ次は健斗」
健斗「え、俺?」
颯「お前、好きな人いんの?」
翔太「気になるわ」
健斗は少しだけ照れながら言う。
健斗「……いるよ。クラスの子」
男子全員「おおおおお!!」
翔太「誰だよ!」
健斗「……日向」
颯「えっ!?」
理人「意外すぎる」
翔太「いや、でも相性いいかもな…」
健斗は耳まで赤くしながら続ける。
健斗「明るくて、優しくて、
話すと元気になるんだよ。
……でも、言うつもりはない」
颯「言えよ!!」
翔太「いや、健斗は慎重だからな」
健斗「……今はまだいい」
男子部屋がざわついた。
---
理人「で、颯は?」
颯「えっ、俺!?」
翔太「お前、今日誰か見てただろ」
健斗「気になる人、いるんだろ?」
颯は耳まで赤くなる。
颯「……いるよ。クラスの子」
男子全員「おおおおお!!」
翔太「誰だよ!」
颯「言わねぇよ!まだ!」
理人「でも、颯が真面目に好きになるの珍しいな」
颯「うるせぇ!」
翔太(颯に好きな人……誰だ?
まさか、雫華じゃないよな……?)
胸がざわつく。
---
それぞれの夜
女子部屋では──
日向「明日も楽しみだね」
雫華「うん」
香奈「雫華、絶対翔太意識してるよ」
雫華「してない」
(してないけど、胸が少しだけざわつく)
男子部屋では──
颯「明日こそアピールする!」
翔太「……俺も、ちゃんと向き合わないと」
理人「青春だな」
健斗「Good luck」
---
夜の海
静かな波の音だけが響く。
翔太(……雫華、今何してるんだろ…)
彼の気持ちは、
まだ言葉にならないまま、
海の音に溶けていった。




