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島根ダンジョン攻略中

遅くなりました。

「走れ!大輔!」


「うるせぇ!!黙って走れ!!!」


俺達は今、島根ダンジョンの19階を大汗をかきながら走っている。

・・・正確に言うと、俺と大輔が走り加藤君は大輔が押す台車の上で、死んだトドのようにピクリともしない。

かなりの振動が伝わっているはずなのに、重量級のためか抜群の安定性を発揮し、台車の上に張り付いたように横たわっている。


俺達は島根ダンジョン20階層への到達を、3日めと考えていた。

だが、蓋を開けると2日めで11階層の半ば。

多少のずれは別にいいのだが、なんか負けた気になってしまう。


そのため、俺達は走り出した。

20階層のボス部屋を目指して!

体力の上がった俺達になら可能な距離だ。

だが、脂肪という名のハンデを持った加藤君には無理だった。


それでも加藤君は17階層の半ばまで走ったのだが、健闘虚しくダウン。

今は解体ショーに運ばれるマグロのように台車に揺られて運ばれて行く。

無論、そんな力仕事は大輔の出番だ。

戦士職の力とスタミナを発揮し、加藤君を運び続けた。


「ハァ、ハァ、ハァ、・・・きつい・・・。」


「馬鹿、俺の方がキツイ。」


荒い息を吐きながら20階層のボス部屋前に到着した。

到着するなり、俺と大輔は大の字で床に横になり、加藤君は器用に台車の上で寝息をたてていた。


「め、めし、どうする?俺、菓子パンでいいわ。」


「何でもいい。食ったら寝るぞ。」


「加藤君どうする?もう、寝てるぞ。」


「ほっとけ!腹が減ったら勝手に起きる。」


息を整えノロノロと体を起こすと、無理矢理にでも菓子パンを頬張り飲み込む。


「駄目だ・・・今日のは毎日は出来んぞ。荷物運びながら走るのは予想以上にキツイ。」


珍しく大輔が弱気な事を言い出す。

それだけ、今日のマラソンがきつかったのだろう。


「俺もそう思う。ここまで3日で来れたが、1日50Kmくらいにしないと駄目だな。」


「そうすると2日で10階層、残り30だから6日かよ。」


「採掘もするからプラス3~4日だな。とりあえず30階超えた辺りで、1日のんびり採掘しながら体を休めよう。」


パンを食べながらボソボソと相談をする。



翌朝、目を覚ますと加藤君は既に起きていて元気に朝食を食べていた。

昨日失ったカロリーを取り返す勢いで、朝から猛烈に食べている。

そのあまりの食欲に軽く引きながら俺と大輔も朝食の菓子パンをかじり、片づけを済ますといよいよボス戦となる。


この階層にいるボスは百目鬼どうめきといい、2mほどの相撲取りのような体型の鬼だ。

その名が示す通り体中に無数の目を持ち、戦いになるとその目が精神系の攻撃をしてくるらしい。

過去、3度Sランクの冒険者が所属するパーティーが戦って全て負けている。

その際の記録では同士討ちしたり、いきなり眠ってしまったりと複数の効果が確認されている。

どう考えても20階層あたりにいる敵ではないのだが、そのため触るな危険の説明と共に

ここのダンジョンの入り口に注意書きが書いてあった。


「よし!やれ!」


俺の号令と共に、光の槍と魔法が百目鬼に襲い掛かり粉砕する。

魔石はドラゴンの魔石より、ちょっと小さいかなと思えるくらいの大きさがある。

やはり、この階層には相応しくないレベルの魔物だ。


宝箱からは青い石のついた指輪がでた。

宝石なのかもしれないが、まったく分からない。

鑑定したカイムが言うには精神に作用する魔法を20%の確率で無効化すると言っている。

これは俺が使うか売るかが一番だが、とりあえずそれは保留にして俺達は先を急いだ。

その後、21階層に降りたのだが、百目鬼を見た時のショックより、無人の1本道が続いているのを見た時の方がショックがデカかった。


行くしか無いので、俺達は2日かけて30階に到達。

明日1日は大学に提出用の鉱石を適当に採掘し、後はゆっくり休むつもりだ。


30階層では80キロほどの鉱石を採掘した。

内訳としては大輔が40キロ、俺と加藤君で20キロづつといったところだ。

だいたい8割以上が福島で見た黒っぽい金属で、残りが鉄みたいに見えるがぼんやり光ってる鉱石で、加藤君が言うにはたぶんミスリルだそうだ。

大学へはとりあえず各々10キロほど鉱石を提出し、様子を見る事にした。


そして40階層。

毎日、嫌になるほど歩き続けようやく到着した。

なにか変化がほしい・・。


この階でも都合2泊し、翌日1日は採掘をするつもりだ。

大輔が調子に乗って2本のツルハシをブンブン振り回している。

この日、採掘出来た鉱石は100キロくらいだと思う。

張り切った大輔が1人で60キロを超える量を採掘したのだ


「昔の勘が戻って来たぜ!」


得意そうに言っているが、見た目は厨二病を発病した男にしか見えない。

盾や槍以上にツルハシを使いこなしている。


「ツルハシをメインウエポンにしたらどうだ?」


俺の軽口にもサムズアップしながら笑いかけてきた。

ちゃんと、意味分かってんだよな?

大輔の頭の心配をしながら、40階で最後の夕食になった。


感想と誤字報告、有難う御座います。

キックボードの話は考えてはいたのですが、話が伸びそうなので止めました。

本日1本目の投稿をさせて頂きます。

有難う御座いました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 敵居ないならオフロードバイクあれば楽しかろうてw 加藤君はハーレーで。
[一言] 走る…前にゴーカートが出てましたが、普通に探索するなら四輪バギーの方が良いような。公道走るわけではないので改造し放題www コンパクトだし、排気量大きいのもあるし、バイクみたいなものから車み…
[気になる点] サブタイが福島ダンジョンなのに、島根ダンジョンを攻略してる謎
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