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花道闊歩 -異世界ガイドとして死ぬ運命の少女たちを幸せな老衰エンドへ導きます-  作者: ガリガリワン
第二部 第七章 ギルド編

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第五十五話 三流パーティー


「こんにちは。ギルド証のご提示をお願いします」


 ギルド。

 全大陸に分布するなんでも解決組織。

 ソラニテ王国領土内に入って4日、

 俺たちはソラニテ王国の王都、バグラにやって来た。


「その、実はパーティーを作りに来まして……」


 ギルドの建物は二階建ての大きな酒場のような、

 すごく親しみやすい見た目のところだった。


「すみません……見たところパーティー作成の、

 必須項目を満たしていないようです……」


 そんな建物の大黒柱を中心に置かれるカウンター、

 そこには3人ほどの受付の人がいた。


 今、俺たちが話してるのは獣族の女性だ。


「……? いえ……満たしているはずですが」

「もしかして、改訂をご存知ないでしょうか?」


 グラバさんは過去、ギルドに所属していた。

 パーティー作成の項目は時代と共に変わったのか?


「20年ほど前に項目がガラッと変わりまして……

 パーティー作成には最低7名の戦士、

 そして四名の準中級以上の戦士が必須になりました」


 グラバさんは少し息を吸って吐くと──


(わたくし)も歳を取りましたね……」


 老いの実感……グラバさんはもうおじさんだな。


「……では、メンバー募集中のパーティーは、

 今このギルドにございますか?」


 グラバさんはそう言ってパーティーを作るのをやめ、

 募集中のパーティーに入ることに話を変える。


「ございますよ。その前に、

 等級とギルドに登録するお方を教えてください」


 ギルドで働く人選はすでに決めてある。


「グラバ・シャクベルト、等級は上級です」

「フリィア・サタニルドです。等級は中級です」

「リル……ルメス・シャクベルトよ! 等級は中級!」


 3人。リルメスは追われる身なので偽名を使う。

 設定としてはグラバさんの娘だ。


「なるほど……でしたら三流パーティーの最上位、

 ガガルパーティーなどどうでしょう?

 人柄も良いですしオススメですよ」


 三流か……悪くないな。

 ギルドは一般的な等級制度と違って、

 別の等級制度がある。


 四流・三流・二流・一流・殿堂入り。


 ぱぱっとここら辺は知識を整理しよう。

 なにせ強さの指標は熟知しておいて損はない。



 まず四流。最大準中級レベルの依頼を受諾出来る。

 ここが最低ライン、戦う系の依頼は少なめだ。


 三流。最大準上級レベルの依頼を受諾が可能。

 多くのパーティーがここに分類されるし、

 ここまできたら食っていくのには十分なレベル。


 二流。最大英級(えいきゅう)レベルの依頼を受けられる。

 英級(えいきゅう)暴野(ぼうや)とか兇徒(きょうと)を相手にするから、

 もちろんだがここまでくるとかなり強い。


 一流。依頼の制限が消え全て受諾出来るようになる。

 言っちゃえばここが天井。一流パーティーのリーダーは基本的に準俊級(じゅんしゅんきゅう)とかの戦士が多い。


 そして最後に殿堂入り。

 そのギルド内で最も功績を持つ一流パーティー、

 これは称号として存在してるようなもんだな。

 


全知脳(ぜんちのう)発動】


【ガガルパーティーについての知識】


 ガガルパーティーは三流のパーティーのわりに、

 リーダーは上級……しかも総勢20名以上で、

 上位5名は上級、二流クラスのパーティーだな。


 そんなパーティーに入れたら最高だ。

 こっちとしてもかなり嬉しい誤算でもある。


「ではそのガガルパーティーのお方たちは……?」

「確か……依頼を受けてたはずですが、

 そろそろ帰ってくると思いますし、

 こちらで待たれてみてはどうでしょう?」


 そういうことなので、

 俺たちはギルドの屋内でのんびり待つことにした。


「ケルエタ、ウチらは宿で待機か?」

「そうですね。メアラとルダクルをお願いします」


 ここはルサナン大陸。

 グロワールと違って通貨は変わってる。


 だからグロワールの通貨はここじゃ使えない、

 にも関わらず俺たちが宿を確保できた理由……


 それはレクセト城から貴重品を持って来て、

 こっちに着いてから一回売ったからだ。


 通貨が変われど物の価値は揺らがない。

 数は少ないが高値で売れたので、

 ソラニテ通貨は白金貨7枚はある。


 と言っても……すぐに消えるだろうな。

 7人分の生活費なんて巨額な出費だ。


 だからギルドで稼ぐ必要がある。

 ……シルフさんはおそらく俺たちが依頼でいない時、

 2人にあの話のことを伝えるだろう。


 頼れる人が出来れば旅から抜けると言ってるが、

 そもそも頼れる人なんて出来るのか?

 

 なんにせよ……旅から抜けられるのは、

 心情的には少し辛い話だ。



「今日も楽勝な依頼だったな〜」

「呆気ないですよネ〜」


 2時間くらいか?

 みんなで座ってガガルパーティーの帰りを待ってると、何やら入口方面がガヤガヤとし始めた。


「おかえりなさいませ、ガガル様」

「余裕に圧勝してきたぜ」


 受付のカウンターの前に立つ男。

 そいつは見た目からしてただの人知族だった。


「ガガル様、メンバー募集をかけていましたよね。

 3名ほどお待ちですよ」

「マジ? どこどこ?」


 ガガルって奴は受付の人の手の方を向き、

 俺たちを見つけた。


「子供……?」

「中級2名に上級1名です」

「……とりあえず話しかけてくるわ」


 ガガルがこっちにやってきた。

 それに伴ってシルフさんとメアラにルダクルは、

 俺たちから離れていき宿に向かう。


「よぉ、あんたらがパーティーに入りたい人か?」

「そうです」


「俺はガガル・レクレシオ。

 このパーティーのリーダーだ」


 そう言って手を差し出してくるガガル、

 グラバさんはそれを握って握手した。


「歓迎する。パーティーに入ってもらうのは、

 俺たちとしても大歓迎だからな」


 ガガルは依然として嬉しそうな表情だった。


「あんたらが稼ぎたいのも理解してる。

 早速依頼に行きたい、とは思うんだが……

 もう今日の分の依頼は終わっちまってな。

 ただまあ、明日も俺たちは依頼を受けるし、

 明日、あんたらの力を俺たちに見せてくれよ」


 ガガル・レクレシオ。三十五歳の男性。

 人知族で地剣流の剣士、等級は上級。


 全知脳(ぜんちのう)の知識では得られなかったが、

 ここまで良い奴だとは思ってなかった。


 グラバさんも少し驚いてる。


 新入りというのはこの世界じゃ、

 良い扱いを受けることもない。


 完全実力主義、それがこの世界。

 だってのにこの人は俺たちをここまで考え、

 ちゃんと他のメンバーも歓迎ムードだった。


 大当たりだ。こんなパーティー中々いない。


「ありがとうございます。親切なお方で……」

「ハハハッ! 好きでやってんだから気にすんな。

 明日も朝から依頼に出るからな。遅れず来いよ?」


 そう言ってガガルさんとパーティーの人らは、

 ギルドから去っていった。


「なんか……上手くいきましたね」

「ふふ、あの人たち見る目があるわよ」


「……昔と違ってああいう人もいるのですね」


 どうやら昔のギルドと今は雰囲気が違うらしい。

 ……やっぱ野蛮な人が多かったのか?



 * *【ガガル視点】* *



「なあ、メグバ。あの3人どう思う?」


「赤髪の女の子が凄まじい魔力量だった。

 青髪の女の子は大剣使い……そんでもって、

 長身のあのおっさんは魔力を抑えてる」


 俺は今日出会ったあの3人について、

 相棒の魔法使い、メグバに聞いてみた。


「特に赤髪の女の子が特殊だ……

 魔力がダダ漏れだってのに魔力切れしてない。

 あんな魔力……中級とか上級のレベルじゃないぞ」

「オマエがそこまで言うなんてな……」


 俺も何かあるんじゃないかとは思ったが、

 まさかそこまでの逸材がいたなんてな……


「リーダーぁ、あの3人入れたら、

 例の依頼も行けるんじゃないですかネ」


 そう言ってくるのはホクホトって剣士。

 うちで俺を除けば最強の剣士だ。


「……わからん。明日の依頼でどこまでやれるか、

 それ次第で決める。ただ……期待通りだったら、

 十分その依頼を受けたって良いな」


 俺には目標がある。

 それは二流パーティーになること。


 ただ、二流パーティーになるには、

 二流依頼を3回こなさなきゃいけない。


 俺らはもうすでに2回やり切ってる。

 ただ……今回の依頼は危険度が高いんだ。


 情報が不確定な部分が多く、

 思わぬ接敵があり得る。


 ギルドのパーティーが全滅する原因のトップ、

 それは依頼にはなかった暴野(ぼうや)兇徒(きょうと)の乱入。


 戦力を厚くしてそれに対抗出来なきゃ、

 二流になってもすぐ全滅してお終いだ。


「今年中には必ずあの依頼を終わらせる。

 そのためにも……決意を固めるために!

 今日は酒場で一杯やるか!!」


「はぁ……また飲みかよ。

 ま、付き合うけどさ」

「おいら飲み大好きですネ〜」



 明日が色々と楽しみだ。

 強い戦士に対すると何歳になってもワクワクする!

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