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波の音が消える前に  作者: 音香(Otoca )


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78話

「しっかり掴まってろ」


アランは一花を抱きしめると、瞬間移動で自分の部屋に移動した。


「アランさんも瞬間移動できるんですか?」


一花は驚いたように声をかけた。


「ヒロや黒川みたいに得意ではないんだよ。普段はほとんど使わない」


そう言いながら、アランは一花をベッドに寝かせるとそのまま一花に覆いかぶさった。


「本当にいいんだな」


アランが確認すると一花は小さく頷いた。


アランは一花の唇に口づけた。


舌を絡め、ゆっくりと時間をかけて解していく。


次第にアランの唇は一花の首もとへと下りていき、身体はだんだんと熱を帯びていった。


「……んっ……」


アランの指が触れる。


「んっ……あっ……」


室内に水音が響き、アランは一花の反応を見ながら良さそうなところを責めつづけた。


一花の指がシーツを強く握る。


「……んっ……もう……だめ……イッ……」


一花の身体が大きくビクンと跳ねると、浅い呼吸を繰り返しながらぐったりとした。


アランはふっと微笑むと一花の足を持ち上げ、ゆっくり中に入ってきた。


「あっ……ん……」


久しぶりの圧迫感に一花の呼吸は乱れ、一度達しているからなのか快感が次々に押し寄せる。


「アランさん……」


アランの名を呼ぶと、アランが一花に覆いかぶさり口づけた。


一花は無意識にガイディングを始めた。


心地よいガイディングの感覚に一花の甘い香りが混ざり、アランも加減ができなくなる。


「一花」


何度も何度も名前を呼ぶ。


一花は頭が真っ白になり何回達したかもう分からなかった。


「あっ……また……イッ……アランさん……一緒に……」


「ああ」


アランは微笑むと一花の腰を掴み動きを速めると、二人の身体がびくんと強ばり、アランも荒い息を吐いた。


一花はアランの下で浅い呼吸をしてぐったりとしている。


アランはしばらく一花を見下ろしたまま、乱れた呼吸を整えていた。


息が落ち着くとアランは一花が冷えないように、ずれ落ちていた掛け布団を掛けた。


そしてベッドに横になると、一花をぎゅっと胸の中に抱きしめる。


一花もアランに腕をまわすと二人はそのまま、互いのぬくもりを感じながら眠りに落ちた。




翌朝、一花はアランの腕の中で目を覚ました。


見上げるとアランは珍しくぐっすりと眠っている。


ガイディングのおかげか、顔色も昨日より良くなっている気がした。


一花が身体の向きを変えようと身動ぎすると、アランが目を覚ました。


「ん……おはよう」


「すみません。起こしちゃいましたか」


「ん……いいよ……」


アランは眠そうにしながらも、後ろから一花を抱きしめた。


一花はふとお尻に当たる違和感に気づいた。


「ちょっ……アランさん!……んっ……」


アランは一花の中に自身のものを入れた。


「まだ濡れてる」


「んっ……だめっ……あっ……ん……」


二人は再び身体を重ねた。


散々アランに付き合わされ、次に目が覚めるともう窓の外は暗くなっていた。


(……外、暗くなってる……)


一花はだるく重い身体を起こした。


アランはダイニングテーブルでパソコン作業をしていた。


一花が起きたことに気づくと、アランがベッドまで歩いてくる。


「大丈夫か? 悪い、やりすぎた」


一花は怒ったような顔をして、ゆっくりと立ち上がろうとするが足元がふらついた。


アランは咄嗟に一花の身体を支え、そのまま風呂場まで連れていく。


「一人で入れます……」


「気をつけろよ」


アランは一花の額に軽くキスをしてリビングに戻って行った。


一花がシャワーを浴び終えてリビングに戻ると、マグカップに入った温かいお茶が置かれていた。


アランは真剣な顔をして、カチャカチャとパソコンを打っている。


一花はその向かいに座り、静かにお茶を飲んでいた。


「ふぅ…… 終わった。一花ちゃん、お腹空いた?」


昨日の夜に食べたきりで、今日はまだ何も口にしていなかった。


「少しだけ……」


「あんまり食欲ない?」


「そうですね……」


一花はアランのガイディングと身体を重ねたことで疲れて、食欲はあまりなかった。


「だったら、気分転換にドライブでも行くか?」


その言葉に一花の目が輝いた。


「いいんですか?」


「明日もたいして仕事ないし、たまにはいいだろ」


一花は嬉しそうに笑顔になった。


アランは寝室へ向かうとパーカーを持ってきた。


「外は寒いから、これ着ろ」


ロンTとショートパンツの部屋着だった一花に、アランは自分のパーカーを着せた。


アランのパーカーは、一花のショートパンツを隠すほど大きかった。


「一花ちゃんにはでかいな」


アランは苦笑いした。


一花はアランに気づかれないように、パーカーの袖口の匂いを嗅いだ。


アランの匂いに包まれ、ほっとした気持ちになる。


「ほら、行くぞ」


「はい!」


一花は急いでアランの後をついて行った。


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