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 日中の焼けるような日差しが少しずつ弱まってきたある日のこと。


「お店もだいぶ落ち着いてきたし、今日は久々に市場調査しに行ってみよう」


 芽衣は元気良く外へ出た。

 ここ数週間はありがたいことにチューチューやパウチなどの季節商品が次々と売れ、芽衣はその対応に疲れていた。未だに芽衣一人で店を開いているので、休みの日は疲れて外へ出る気力も無くなるぐらいだった。

 そうして新商品を発売してからやっと落ち着いてきたので、久々に外出してみようという気になった。


「何か新しい発見があるといいな」


 そんなことを云いながら、芽衣は露店で賑わう広場へと向かう。

 この世界に来た時は春だったからか、食材を扱う店では山菜のような野草や野菜などが多く並び、あちこちに色鮮やかな花なども売られていた。

 それが季節が変わったからか、食材は野菜より果物の方が多く売られているように見える。そして鮮やかな花を販売している店はグッと減り、今日営業しているのは2店ぐらいだった。季節ごとに露店の商品が変わるのはどこの世界でも一緒なんだな、と思いながら店を眺めていく。

 他の区画――冒険者用品や手芸・工芸品なんかはいつもと変わりのない物が…と思ったが、手芸用の店でやけにカラフルなポシェットが売られていた。


「手作りポシェットはカラフルで目立ってるね」


 思わず手作りのポシェットを眺めていたら、何人か購入していた。芽衣が作った訳ではないが、ポシェットが売れてなんとなく嬉しくなった。

 一通り見終わった芽衣は、手芸区画から飲食区画へと向かう。

 食べ歩きや持ち帰りを希望する人たちのための飲食区画は本日も賑わっており、沢山の人たちが買いに来ていた。

 時々買う串焼きやナンなどの店は、今日も営業していた。


「あとで買って行こう」


 飲食区画を一通り見て回っていると、見覚えのある物が売られていた。


「あっ、あれは!」


 確認のために店に近づくと、やはり見覚えのある『かき氷』が売られていた。

 夏を少しでも快適に過ごせれば…と思ってチューチューを販売したのだが、元々かき氷があるのならチューチューではなく、シロップを販売しても良かったのでは?と思った。

 そして売られているかき氷をよく見てみると、どうやら果物をトッピングしているだけで、シロップのような物はかけられていなかった。


「あれじゃあまり味がしないんじゃ…」


 客に渡すかき氷を見て、ついそう呟いてしまう。

 かき氷に味がないのなら、それは本当にただの氷だと思う。どうせだったら美味しく食べたいし、その美味しさを知ってもらいたい!と思った芽衣は、シロップの販売を相談するため商業ギルドへ移動した。

 商業ギルドに到着するといつものようにエディルを捕まえ、ルスタの部屋へと移動する。そこでシロップの実物を見せながら、かき氷にかける物だということを説明する。


「それをかけるだけで本当に美味しくなるのか?」


 真っ赤や真緑の液体を見たルスタは、その毒々しい色に驚いていた。


「濃い色ですが、これは毒ではないので人体に影響はありません。で、これを氷にかけると甘くて美味しくなるんです」


 色はこんなんだが安全で美味しい、ということを伝えると、甘い物大好きなエディルはすぐに反応した。


「これをかければ…。ということは、氷以外に使い道はあるのですか?」


 そう問われて芽衣は考え込む。


(かき氷のシロップって、他のことに使えたっけ?)


 思い返しても、残ったシロップを水で割って飲んだぐらいしかない。他に使い道はあるのだろうか??

 考えた結果、自分がしていたようなことを口にする。


「お、お水に少量のシロップを混ぜて飲んでも美味しいです」


 芽衣の言葉を聞いてエディルはすぐ水を用意した。そこにシロップを少量入れ、教わるままにグルグルとかき混ぜた。


「おおっ、あんなに毒々しい色をしていたのに…」


「水で薄まったからか、とても綺麗な色ですね」


 ルスタとエディルはうんうんと頷いている。

 存分にシロップ水を確認した後、二人は覚悟を決めてシロップ水を口にした。


「…んっ!」


「甘い!」


 予想外の甘さに二人は驚いていた。


「なるほど。これをかき氷にかけて食べたら美味しいな」


「そうですね。溶けた氷でもこのシロップが薄まって飲むことが出来るので、最後まで美味しく食べきれるのは魅力的です」


 ニコニコと笑顔で感想を告げてくるエディル。


「で、これを売るんだろう?」


「はい。…けれど今回はかき氷屋さんに販売しようかと思って…」


 本当は芽衣の店で販売してもいいのだが、一人だと対応が追いつかない。

 芽衣の店の現状を知っているルスタは、少し考えた後頷いた。


「…そうだな。嬢ちゃん一人で店をやっているから、また食べ物関連を販売したら負担が増えるだろう。それだったらかき氷屋に直接売った方がいいかもな」


 ルスタはエディルに会議室の用意と、かき氷屋を呼んでくるように指示を出す。エディルはその指示に従ってすぐに行動し、10分後ぐらいには先程見かけたかき氷屋の店員を呼んで来たので、芽衣はルスタと共に会議室へと移動した。




やっと書き上げることが出来ました(^-^;

今後も不定期になります

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