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 ポーチ類は販売許可が下りたので、次にウォーターボトルを手にし、早速説明を始めた。


「これはウォーターボトルです。これに水を入れて直接飲んだり、外出する時に水を持ち運んだりすることが出来ます。あとは水を入れる以外にもパスタなどを保存する容器として使うことが出来ます」


「ほぉ…」


 ルスタは実際にウォーターボトルを手に取り、見回していた。


「軽いな」


「はい。軽くて丈夫な素材で出来ているので、ここに水を入れてもそんなに重くないですし、少しの衝撃なら割れることもありません」


 エディルもウォーターボトルを手に取り、その軽さに驚きながら、芽衣に「実際に水を入れてみてもいいですか?」と聞いてきた。


「どうぞ」


 芽衣が許可を出すとエディルは水魔法を使って、ウォーターボトルへゆっくりと水を入れていく。水が溢れる手前で魔法を止め、しっかり蓋をして持ち上げたり横に振ったりして確認している。


「水が入っても水袋と違い、とても軽いですね。それに水が漏れません」


 エディルの動作を見ていたルスタは「俺にも持たせてくれ」と云って、エディルからウォーターボトルを受け取ると、ダンベルのように上下に持ち上げを始めた。


「本当だ。水袋と比べると随分軽いな。これなら女性や子供でも簡単に水が飲めそうだ」


 一般的に流通している水袋はブルーフロッグという蛙の魔物の素材を使っており、飲み水や生活用水を入れて持ち運ぶのに使っているという。約1リットルの水が入るそうだが、元々素材自体が重いため、容量ギリギリまで水を入れすぎると重たすぎて持てなくなってしまう。そのため女性や子供たちが使う場合は半分ぐらいの水を入れて持ち歩いているそうだが、その半分でも重いため、水袋は本当に必要な時以外は持ち歩かないと教えてもらった。


(これなら水袋と比べて軽いみたいだから、持ち歩きには便利かもしれない)


 芽衣がそう思っていると、ルスタとエディルはまだボトルを見回していた。


「先程水以外にも穀物などを入れると聞きましたが…」


 ある程度の実験や観察を終えたエディルが質問をしてきた。


「はい。この中にパスタなどの食材を入れて保存することが出来ます。ただ元々保存が可能な食品しか入れられないので、入れる際に注意が必要です」


 間違っても生肉などの生鮮食品の保存には使ってもらいたくはないと思う。万が一使用する際には自己責任として使ってもらいたい。そのため購入時にはきちんと説明をするし、商品案内のメモにもきちんとその事を書くつもりだ。

 どのように食品保存をするのかというのを見せるため、もう1つの空きボトルの中にマジックバッグから取り出した飴を入れて見せた。飴を入れたボトルを見て、エディルは目を輝かせていた。


「こうして保存に適した食品を入れて飾れば、どこに置いてあるのかも分かるし、残りの量も分かるので便利だと思いますよ」


「そうですね。使い道は色々ありそうですね」


「それに軽くて便利だし、これも許可しよう」


「ありがとうございます」


 ウォーターボトルはすんなりと許可してもらえた。


「残りのこれは…何だ?」


 容器に入った化粧水やボディークリームを見て、ルスタは不思議そうに首を傾げた。


「こっちは化粧水で、こっちはボディークリームです」


「?」


「まず化粧水は顔を洗った後に塗ります。化粧水を塗ることで、肌の水分や保湿成分を補給してくれるんです」


 以前読んだ雑誌にそんなようなことが書いてあった気がする。


「けれど化粧品は体質的に合わない人がいるかもしれないので、パッチテストをしてからの販売になってしまうので、売り出すには少し時間がかかるかもしれないのですが…」


 敏感肌の人や成分アレルギーを持っている人などが、安易に使って大変なこと――肌にショックを受けて死に掛けてしまっては申し訳ない。そのため購入希望者には腕の内側に化粧水を少し塗り、30分程様子を見る。その後異常がなければ、販売しようかと思っている。

 その話を聞いていたルスタは「そんなの時間がかかって面倒だろう」と云ってきた。


「そのパッチテスト?も大事だとは思うが、その化粧水やらを使って何かあれば、教会やプリーストに治癒魔法をかけてもらうか、ポーションを飲めば治るだろう」


「ポーションで治るんですか?」


「ああ。実際どのような症状になるか分からんが、表面上の異常なら低級ポーションで治るだろう」


 てっきりポーションは怪我や傷を治すだけの物だと思っていたが、怪我以外にも病気などの治療でも使えるらしい。それらはポーションの品質によっては治らなかったりもするが、軽い症状なら市場でも売っている低級ポーションで治るらしい。


「それじゃ、購入時にもし異常があればポーションや治癒魔法を使うことを伝えます」


「それがいい」


 ルスタは満足そうに頷いた。


「あとはクリームか」


「そうです。化粧水と同じように、身体を洗った後に塗ります。このクリームを塗ることで、肌の乾燥を防いでくれます」


「…それも購入時に注意するように」


 ルスタはそれだけ云うと、2つ共販売許可をくれた。


(あれ? 随分あっさりしているような…)


 男性のルスタは化粧品に関心がないと思うが、未知の物を販売するのにそんなにあっさり決定していいのかな?と芽衣は思った。


(実際に使ってもらえば、化粧品の良さが分かるかもしれない!)


 そう思った芽衣は、ルスタとエディルに試供品として1本ずつプレゼントした。化粧水とボディークリームを貰ったエディルは喜んでいたが、ルスタは不思議そうな顔をしていた。


「私のいたところでは、男性も化粧水やボディークリームを使っていましたよ?」


 そう告げると、ルスタは「そうなのか…」と静かに呟いた。

 後日、サンプルを渡したルスタとエディルの肌がプルンッとしていたそうだ。二人の変化に気付いたギルドの女性職員や商人たちに色々と質問攻めされたらしく、肌の調子は良いのにとても疲れているように見えた。




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