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いつもよりは短いです

 夜になっても王都は大勢の人で溢れていた。あちこちから聞こえてくる賑やかな音楽や話し声、そして建物の灯りや街灯のおかげもあり、夜だということを忘れて皆楽しんでいた。

 芽衣の屋台も売り出した当初は行列が出来ていたが、それがようやく落ち着いて来たのは1時間ぐらい前のこと。それでもまだポツポツ買いに来る人がいるな…と思いながらも、客足が落ち着いてきたのでこっそりとスマホで時間を確認したところ、既に22時を過ぎていた。夜なのに周囲が明るかったので、時間の感覚が狂っていたようだ。


「わっ、もうこんな時間!」


「全然気付かなかった…」


 二人とも売ることに精一杯だったので、時間まで気にしていなかった。芽衣自身もこんな遅くまで販売をし続けるとは思っていなかったので、文句を云わずここまで手伝ってくれた優真には感謝しかなかった。


「こんな時間まで手伝ってくれてありがとう。もう少しで販売を終わりにするから、優真くんは先に帰っていいよ」


「えっ…でもまだ続けるなら手伝うよ?」


「もう買いに来る人も少ないし、それにもう少しお祭りの気分を味わったら止めるから」


「…」


 優真は少し考えた末、ゆっくりと頷いた。


「分かった。幾ら人が多いといっても芽衣さん一人で販売するんだから、不審者には気をつけて」


「ありがとう」


 帰る準備を始める優真に、芽衣は慌てて異世界商店を起動する。そこでインスタントラーメンを何種類か買い、ラップに包んだアンズ飴を数本、タッパー型保存容器に入れた塩昆布和えも含め、それら全てをビニール袋に入れて手渡す。


「優真くん、これ少ないけど…」


「え?」


 反射的に受け取ってしまってから驚いている優真に芽衣は微笑む。


「優真くんが手伝ってくれたから回転も早かったし、本当に助かったよ。ありがとう」


「いや、こっちも楽しかったし…」


「私も楽しかったから。だから感謝の気持ちを受け取って?」


「…じゃあ遠慮なくいただきます」


 優真が受け取ってくれたのを見て、芽衣はホッと安心する。


「今日は手伝ってくれて本当にありがとう。とっても助かったよ」


「俺も楽しかったです。お土産もありがとうございます。それじゃ、また」


 自転車に乗って去って行く優真に手を振りつつ、あと少しだけ屋台を営業しようと決めると、芽衣は気合いを入れ直す。

 営業は続けているが客が来ないのでぼんやりと目の前の通りを観察していると、この時間なので歩いている人たちは買い物をするためではなく、祭りの雰囲気を楽しむために散策をしているようだった。


「昼と夜とまた違った雰囲気でいいね」


 昼間の賑やかさも良かったが、夜のゆったりとした雰囲気も好きだ。


「さてと、そろそろ片付けようか」


 優真が帰ってからも数人買いに来たが、周りの屋台も終了しているので、そろそろ芽衣も終わりにしようと思った。

 テーブルの上に並べていた商品を手早くマジックバッグに入れ、最後にテーブルの周りを確認して家に入った。


「はぁ…いっぱい売れた」


 2階に上がり、ほうじ茶を飲みながら寛ぐ。

 今日は予想以上に沢山売れたため、随分慌しくなってしまった。

 用意したアンズ飴はカリカリで甘く、しかも安く買えると噂になって沢山売れた。野菜の塩昆布和えも口直しや酒のつまみとして売れて行った。

 途中でアンズ飴のストックが少なくなってきたので、屋台は優真に任せて追加調理をした。おかげでなんとか品切れをすることなく1日目を乗り切った。

 明日はまたアンズ飴の噂を聞いた人や、今日買って気に入った人たちがまたやって来るだろう。


「明日も頑張るぞ!」


 気合いを入れつつ、明日に備えてアンズ飴と野菜の塩昆布和えを作り始めた。




児童センターに行ったら、風邪の菌をもらってしまったようで…(>_<)

更新が遅くなってしまって、すみません



7/19

タッパー型保存容器に変更

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