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 夏祭りまではまだ時間があるので今から少しずつ準備をしつつ、店ではそろそろ新しい商品を売ろうと考えていた。


「やっぱり季節商品は一度試してみたいんだよね」


 季節商品はどうしても期間限定での仕入れになってしまうが、一度異世界での反応を見てみたい。

 芽衣がこっちに来て初めての夏なので、ユイオンの気温さえ分からない。とりあえずどこでも使えそうな扇子、うちわ、日焼け止め、冷却シート、冷却タオル、ビーチサンダルを新商品として売り出してみようとした。

 ちなみにイルナが要望しているタッパー型保存容器はこれからの季節、食中毒などの危険があるかもしれないので、過ごしやすくなる秋頃に販売予定だ。

 そしていつものようにルスタに新商品の相談をしに行くと、その場で「そのサンダルを売ってくれ!」と云われた。どうやら芽衣のプレゼンが成功したようで、サンダルの説明は「靴と違い、夏場は蒸れなくていい」と云ったのがルスタの心に響いたらしい。

 サンダルは女性はMサイズ、男性はMとL、子供は15cm、19cmにした。女性でももしかしたら足のサイズが大きい人がいるかもしれないので、そういった人には男性のMサイズを勧めようかと思っている。もしLサイズ希望の女性が多ければ、改めてLサイズを用意するつもりだ。

 新商品についてはルスタに「そんなに用意して大丈夫か?」と心配されたが、レベルも上がって一度に仕入れる数が増えたのと、相変わらず店は週2回の営業なので大丈夫だと伝えた。

 ルスタから了承を得た商品たちを新たに設置した季節商品用の棚に並べた。そこに各商品の使い方を書いたメモを貼った。詳しいことは商品のパッケージに書かれている文字を見てもらえばいいが、興味を持ってもらえるようにと、芽衣が対応しきれない時でもきちんと商品の使い方が分かるよう、事前に対策しておく。

 開店前にざっと店内を確認し、異常がないので「よしっ!」と声を出す。


「それじゃ今日は…『OPEN』」


 芽衣の言葉と共にドアの鍵が解除される。暫らくぼんやりとしていると、コンコンと控えめなノックの音が聞こえてきた。


「開いてますよ」


 ドアに向かって声をかけると、ドアのベルが鳴り、客が入ってきた。


「いらっしゃいませ」


「開いてて良かった…」


 本日最初の客はほぼ毎回買いに来てくれる冒険者だった。

 冒険者はいつものようにサバ缶とインスタントスープを手にして笑顔だった。

 レジへ向かう前にぐるりと店内を見回し、そこで季節商品と書かれた棚を見つけた冒険者は、その場でじっくりと商品やメモを見たりしていた。

 随分悩んだ末、季節商品を1種類ずつ手にし、レジへとやって来た。


「この季節商品というのは初めて見ますけど…」


「ええ、今日からの販売なんです。なので、後日感想をいただけると嬉しいです」


 世間話をしながら会計をし、会計が終わると冒険者は「また来ます」と告げて去って行った。

 冒険者が去ってから、客がポツポツとやって来た。誰もが会計前には一度店内を見渡しているので、買い忘れがないか確認しているようだった。そこで目にした季節商品の棚へ移動し、ほぼ全員がそれらを一通り買っていく。

 お昼近くになると新商品の噂が広がったのか来店客が多くなり、まず子供用以外のサンダルが売り切れた。その後は子供用サンダルしか置いていないので、とりあえず買ってみよう、と思っている人たちに買われて行き、そうして新商品はお昼過ぎには完売した。石鹸やタオルなどもまた売れ始め、在庫が少なくなってきた。

 石鹸とタオルを買った人から少し話を聞いてみると「夏は汗を掻くので石鹸を使ったり、水浴びをしてすっきりしたい」と教えてもらい、なるほど…と思った。


(ここ最近は売れ行きが落ち着いていたからあまり購入してなかったけど、これからは少し数を増やそう)


 そうして夕方前には全て完売したので閉店した。閉店後は軽く店の掃除をし、今日の売れ行き具合を思い出す。


「サンダルは思っていたより早く完売。石鹸やタオルなんかもまた売れ始めたから、次はもう少し増やそう」


 石鹸が売れ始めたので、石鹸ケースもまた需要があるかもしれない。

 店の掃除を終えた芽衣は2階へ上がり、お茶を用意してから椅子に座る。そこでスマホを取り出し、異世界商店を起動する。


「えっと、石鹸とかの数を少し増やして…あとはいつもの食品と季節商品と…」


 個数を決めてカートに入れていく。


「季節商品はサンダルを少し多めにして…逆に子供用のサンダルは少しだけ数を減らして…」


 今日お店に来た人たちの中に子供は数人しかいなかった。代表して親が買い物に来ているのかもしれないが、大人用のサンダルの方が売れ行きが良かったので、また次回の営業日に様子を見てみる。

 全てを購入し終えると、ウサギが笑顔だったので「これはっ!」と思った。


『いつもご利用ありがとうございます。あなたのレベルが上がったので、300円以下の全商品が1日90コまで購入出来るようになりました。おめでとうございます』


 画面ではいつものようにウサギがお祝いをしてくれている。


「レベルが上がったから、ステータス確認!」


小日向芽衣メイ・コヒナタ

異世界人

年齢:19歳

職業:商人

レベル:6

魔力:1300

魔法:火、水、風、土、生活魔法

スキル:異世界商品取寄せ、鑑定

持ち物:マジックバッグ、スマホ


「うん、魔力も増えてきたし、また魔法の練習を再開してみようかな」


 新しく使えるようになった風と土魔法はまだまだ練習が必要なので、もっと練習していこうと思った。

 今商品を購入したばかりだが、レベルが上がった分の残り分を忘れずにサクッと購入し、後はゆっくり休むことにした。




9/26 誤字を直しました



7/19

タッパー型保存容器と統一

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