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転戦

朱儁の陣営(頴川)で受けた説明によれば、ここ頴川は張梁・張宝の兄弟が大軍を率いて占領しているとのこと。


彼らは「天公将軍」と称し張角にたいし、張宝は「地公将軍」、張梁は「人公将軍」と名乗った張角の弟にして大幹部である。


一気に叩き潰したいところだが、太平道は頴川各地に軍を展開しており、官軍も分散して戦わざるを得ないようだ。


張梁の本隊には皇甫嵩、張宝の本隊には朱儁が直々に当たっているが、不思議な力を使う二人に何度も撃退され、膠着状態にあるとのこと。状況を打開するため、皇甫嵩の軍にも最近援軍が派遣され、俺達も朱儁軍に派遣されたとの事だった。


遅れて盧植殿の指示を受けた1000人の兵士が加わり、劉備の指揮下に入った。これで少しは戦いやすくなるな。


俺たちの役割は基本的に遊軍。各所で苦戦する官軍の援護に回った。


戦線が広いときは劉備、長生、張飛、俺の四隊に分けて戦い、一点に集中している時や、隘路での戦いの時はは全軍で当たる。縦横無尽な戦略が要求された。


やはり劉備たち3人は別格だった。一人いるだけで味方は鼓舞され、敵は恐怖する。


劉備は、最初はつかず離れずで戦い、敵を翻弄する。そうして敵軍に隙ができた瞬間を見逃さずに突っ込む、応変の戦略を得意としていた。


張飛は本人が先頭に立ち、凄まじい雄叫びと共に敵を吹き飛ばしながら突き進む方法だった。


長生は張飛ほどの勢いは無いが、どれほどの敵に囲まれても一切止まらず、まるで水が流れるように敵陣を切り裂いていった。


そして俺はと言うと・・・


「よし!前線の奴らは一旦後衛と交代しろ!弓隊は援護!頼むぞ!」


「敵にゃ弓兵が多い!速攻で近づいて乱戦に持ち込め!そうすりゃ弓の特性はいかせねえぞ!」


馬元義との戦いや、先日の戦でも敵と戦った経験から気づいたことだが、簡雍は人間の様子を見ることに優れていたらしい。


盧植先生の教えや戦いを得て、俺は敵兵の様子を見て、最適な戦い方をすぐに割り出すことができるようになっていた。


個人的武勇が劉備達の強みなら、瞬発力と団体戦が俺の隊の強みだ。


田豫も俺の隊に所属している。利発で、武の才能も中々のものだ。


どこもかしこも劣勢で、俺達はどこでも死闘を強いられたが、その戦いが俺達を鍛えていった。


そうして数ヶ月戦う頃、俺達は朱儁に呼び出された。


「この数ヶ月の奮戦、大儀である!この戦い終えた後、必ずや上奏しよう」


「有り難き幸せ。ところで、今回はどのような御用でしょうか?」


「うむ。お主らの各地での奮戦のおかげで、各地で官軍が勝利を収めておる。それもあり、敵は戦力を結集し始めている。今こそ、決戦の時!こちらも戦力を結集して敵軍を叩き潰す!」


「わかりました。先鋒は我らにお任せ下さい。」


「そのつもりだ。まずは作戦を立てねばならぬ。皇甫嵩殿の隊とも連絡を取らねばならぬので、そちらの諸将も呼んである。」


朱儁がそこまで話したところで、天幕の入口が開き、数人の男が入ってきた。


「失礼致す。皇甫嵩でござる」


「曹操孟徳です。」


「・・・あっ」


「・・・あっ」


劉備と曹操、再びの邂逅であった。

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