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卒業と太平道の暗躍

劉備と長生、張飛の三人は、出会ってすぐに深く意気投合した。


また、三人それぞれの長所、短所が上手く噛み合い、お互いを助け合っていた。


人間の絆の深さは、付き合いの長さで決まるものでは無い。


劉備の優柔不断な所を、張飛の考えるより行動な性格と、長生の冷静さが上手に補っている。

また、長生の真面目すぎて融通の利かない部分を、柔軟で砕けた考え方のできる劉備と、難しいことを考えるのは苦手だが、だからこそ客観的に、単純に物事を理解することに優れた張飛が助けた。

張飛が己の感情のままに突っ走ろうとすれば、長生が押し留め、劉備が宥めた。


互いに心を通わせる三人の姿は、まるで仲の良い兄弟のようであった。


出会ってから一月も経つ頃には、劉備が出かける時は、長生と張飛が必ず左右に控えるようになった。


ちなみに、三人の中には、よく簡雍も混じっている。

特に張飛とは酒の好みも一緒だったので、良く飲み歩く仲となっていた。


長生も、「春秋左氏伝」を全て暗記するほどの読書好きだったので、本の話や、歴史上の偉人の人物論などを交わすうちに友となった。




月日は過ぎ、長生と張飛が加わってから3年が経過していた。現在は西暦183年である。



簡雍は、天性の武の才能を持つ長生達とよく手合わせをしていたおかげか、めきめきと腕を上げ、通っていた道場の師範を倒せるほどに腕があがった。


武の才能自体は全くなかったが、師範達が諦めずに教え続けてくれたおかげでこの域まで来れた。必ず恩を返そう、と簡雍は誓うのであった。


ある日、盧植から呼び出しがあった。


「劉備、劉徳然、簡雍。お主ら、わしの所に来てから何年になる?」


「8年になります。」


「うむ。そろそろ良いじゃろう。お主らを本日をもって卒業させる。」


「えっ!?」


「官職につくもよし、それぞれの故郷に戻るもよし。選択はお主らに任せる。」


突然の事に、三人は意味をよく理解できなかった。


「・・・先生、何故、こうも突然?」


「・・・わしは、これから西方で起きた反乱の鎮圧のために朝廷に参内することになった。お主らも充分に学んできたし、羽ばたかせるには良い機会だと思うてな。」


「そういうことなら、わかりました。」


三人は故郷には帰らず、洛陽に残ることに決めた。盧植はその日のうちに、軍を率いて西方に向かった。


その頃、洛陽を初めとした中華全土で、太平道が暗躍していたことを、彼らは知る由もなかった。

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