表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/39

歴史の重み

曹操と出会ってからというもの、劉備は勉強にも、遊びにもより一層力を入れるようになった。


彼が交流するものの中には、洛陽のならず者たちも少なからずいた。


そんな劉備を心配して公孫瓚が何度も諌めたが、劉備は「多くの人と交わらなければ、人間の本質は見られません」と言って聞かなかった。


他の二人にも、それぞれの変化があった。


簡雍は、曹操と相対し、あまりに小さな己の器に気が付かされた。その事が、大いなる焦りとなり、その焦りは凄まじい向上心へと変化した。結果、彼は武においても、知においても、目覚しい成長を遂げつつあった。


特に武術において簡雍は大変な苦労をした。元々武術向きの人物ではないので、剣一つちゃんと振れるようになるまでも時間がかかった。だが、才能がないからと言って諦める訳にはいかなかった。


劉徳然も、それまで敬遠していた武術に積極的に取り組むようになっていた。


簡雍は、一人物思いにふけるのだった。


曹操。俺は、あの男といつか戦わなければならないことを知っている。曹操と戦う時、俺には「歴史をある程度知っている」という強みがある。両親が熱く語ってくれたおかげで、主要な戦いで彼らがとった作戦もおおよそ頭に入っている。


だが、簡雍には、己の知識を持ってしても、曹操には勝てないという確信があった。


例え知識を利用して、史実の一手を先読みしたところで、曹操は即座に「本来の歴史では打つ必要がなかった」新たな手を打つだろう。そうなれば、今の自分の才能では勝ち目はない。歴史は、先を知っているからといって、簡単に越えられるほど甘いものでは無い。まして、史実の劉備は天下を取る事が叶わなかったのだ。その壁は高く、分厚い。


歴史の知識は、決定的な一手を打つ、その瞬間まで最後の手段として秘めておくべきだろう。


曹操に勝って歴史を変え、劉備に天下を取らせるにはまず、自分が強くなるしかない。たとえ、孔明や龐統、関羽や張飛のようにはできなくても、作戦を立て、将としても戦えるようにならなくては。


そこまで考えると、決意もあらたに鍛錬へと向かうのであった。


ある日、洛陽では大きな騒ぎが起きた。


民衆は口々に述べる。


「北門の鬼が、十常侍・蹇碩(けんせき)の叔父を殺した」と。


十常侍といえば、現在の朝廷を牛耳っている宦官。その親戚に手を出したとあれば、曹操も只ではすまない。


三人は、噂を聞くや否や洛陽北部へと急ぐのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ