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面倒くさがりの飲食店店員(女)の日常  作者: 美月


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神の穢れを祓うのは人

 8月8日。毎年、この時期になると何かが起きそうな気がして、落ち着かなくなる。

 もう、十年近く前の話になるだろうか。この時期、体調をひどく崩すきっかけがあったのだ。

 あれはなんだったのか、今でもよくわからない。ただ、自分の中に入りこまれた。

 その存在は自分があまりに苦し過ぎて、悲しくて、つらくて。誰かの助けをずっと求めていた。

 自分が助けを求めた相手が壊れるかもしれないと、恐怖に震えながら。

 だから、助けを求めてはいけないのだと、苦しみを抱えながら。

 正直、あの存在はとても優しかったのだと思う。優し過ぎたぐらい。

 自分ではなく、自分が助けを求めた相手の心配をするほどに。

 自分の抱えるつらさを味わせてごめんなさいと、謝罪された。

 一番つらかったのは、他ならぬその存在だったろうに。

 その存在は、受けたくもなかった穢れを受けた。

 あまりにその存在の力が強過ぎたが故に、誰もその穢れを祓えなかった。

 火の性質をもったその存在。

 おそらくは、神としても崇められた、依代としての器が大きかった巫女。

 神なる存在をその身に降ろせた、稀有なる巫女。

 暴走した火は破壊や戦乱を巻き起こす。

 だから、封じるしかなかったのだと。

 だが、穢れを祓われぬままに封じられて。

 その存在はいつか、自分が暴走するとわかっていたのだと思う。

 暴走したくないと思った時に、私の歌を聞いたのだろう。

 かつて歌った、神々への感謝と題した歌。

 最後の一節をこう、うたっていた。


 助けを求める声に応え、祈りこそが力と

 嘆きを収めぬ声に応え、感謝を今捧げよう


 その時、疑問があったのだ。

 神は人の穢れを祓い清める。では、神の穢れは一体誰が祓い清めるのか、と。

 答えは、人。神の穢れを祓い清められるのは、神の力を振るえる、現人神だ。

 私は、生まれた日時と場所から強い水の神の加護を授かっていたから。

 火に負けなかったのだろう。

 すべてが流れなのだとしたら、生まれた場所や日時でさえも定められていたように感じてしまう。

 まぁ、でも。今世、おそらく私は巫女はやらないのだろうなぁと思う。

 過去世で巫女はやってしまったので、別の職業に就くのが魂の成長的に良いのだと、本で読んだ記憶がある。

 私の人生の目的は、おもしろ楽しく幸せに気楽気楽に生きる、だ。

 そして、今の私の目標としては、キッチンカーを購入して、飲食店をやりたいのである。

 実家が人通りが結構ある場所なので、是非ともそこでおにぎり屋さんをやってみたいのである。

 ひとまず、目標として貯めたいのが、600万円である。

(ローンの返済とかもあるし。こっちも具体的な金額を出さないとなぁ)

 自分でつくった借金なので、誰にも文句は言えない。

 そろそろ、現実から目を逸らさずに、お金がどれぐらい必要なのかを出していこうと思う。

 あと、今のうちに水道料金の引き落とし口座の変更手続きの書類も書きたいし。

 一つずつ、進めていこうとは思う。

 焦れば空回りする。焦るような状況であっても、落ち着いて冷静に機嫌良く対処を。

 飲食店で培った、精神である。

 おかげさまで、笑顔を浮かべるのは得意領域となった。

 余談だが、笑顔でいるとお客様もふっと笑ってくれるのだ。魅力的な笑顔には、素晴らしい価値がある。

 さて、日が昇り切る前に洗濯物を干してしまおう。

 今日はここまで。つづきはまた明日。

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