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面倒くさがりの飲食店店員(女)の日常  作者: 美月


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20/78

映画が素晴らしかった

(よし。勤務が終わった)

 土曜日。朝からシフトに入り、本日は15時上がり。モノノ怪の映画を観に行くと決めていた。

 素早く帰り支度や帰りの挨拶を済ませて、一路、映画館を目指した。

(さすがは公開二日目。結構、人が入ってる)

 映画のチケットを先に購入し、私は一度映画館を出た。そのまま、銀座まるかんのお店京都四条店に向かう。このまるかんのお店の歴史は古い。

 今年で29周年。それだけ長くお店が続いているのだ。店長にお茶を出してもらい、一息つく。

 このお店にはついてる神社があり、お参りしてカードを引ける。お参りといっても一円もかからないので、来るたびにお参りをする。そして、カードを引くのだ。出たのが。

「ついてる」

 カードは八十枚以上ある。その中の一枚だが、最強のラッキーカードである。よく出たものだ。

 さらに、先客の方もカードを引くと、同じカードが出た。思わず拍手を送る。素晴らしいシンクロである。ちなみに、ちゃんとカードは混ぜての結果である。運が良い人と同じ空間にいられるだけで「ついてる」のである。

 その後、お店で買い物をしてから再び映画館へと向かった。

 映画館に一本900円のモノノ怪のステッカー付き烏龍茶の自販機があった。流石に購入しない。

 ステッカーは確かに欲しいが。月末ですでにカツカツである。だから、副業で月八万円ほど稼げたら良いのになぁ、と夢想しているのである。

 せっかくなので、この副業の話を深掘りしてみよう。この場合、八万円の価値があるものを私は誰かに提供することになる。人はどんなものに、お金を使うだろうか。

(体験、体感、知識、知恵・・・かな)

 人とは感情を味わいたい生き物であり、不快な感情でさえもエンタメとしてしまえる。

 まぁ、だからこそ悪いニュースがなくならないのだが。

(自分の能力かぁ。結局、知識が足りないんだよね)

 情報が足りない。何が自分に合っているのか。提供するに当たり、どんな形にすれば良いのか。

 入り口にさて、立てていないような気分だ。

 もっと、調べればいいのだろう。がむしゃらに突き進んでみればいい。だが、それができていない。本気でお金が欲しいなら動くべきだろうと、理性はささやく。動いていないわけではない。ただ、自分のことを信じきれてない。出足が鈍る。一体、どんなものが喜ばれるのか?

(グルグル思考でまったく動けてない。空回りしてる)

 すなわち、行動あるのみ。ひたすらそれだけである。ただ、何を行動に移すのか、ピンと来ていない。なにを商品化するのか、自分が欲しいと思うものは?疑問符だらけだ。

 こういう時は、発想を変える。自分を副業の達人だと思うのだ。副業の達人ならば、まずどんな知識を手に入れているのか?

 副業の種類や何を外注したいのかを調べてみる、という結論に達する。

 副業の種類を調べたら、それを動画にしてアップしてみるのだ。

(これなら、自分の知的好奇心も満たされそう)

 と、方針を決めたところで、映画である。

 映画は素晴らしかった。物語も絵柄も演出やデザインも好きだ。奥行きのある話であり、セリフの中には、自分の間違いや思い込みに気づかされるような、鋭いセリフもある。

 また、観に行きたい。そう思うほどに、素晴らしかった。

 無知が故に、誰かの仕事を台無しにしてしまう権力者。嘘を重ねては、自分の良心の呵責に耐えきれず、苦しみ続ける。・・・真実であるにも関わらず、疑われる。

 本当の願いは、ただ愛されたかった、愛したかった、幸せになって欲しかった、幸せにしたかった、それだけだったはずなのに。

 人が権力や欲、取り巻く環境に苦しめられた果てに、なにを選ぶか。そういう話でもある。

 モノノ怪を生み出すのは人の情念。

 変えられないことに苦しみ、その中で自らを紛らわせ、慰め。そして、朽ちる。思いや未練や後悔を残して。

 許せないという思いが、人を縛り。その思いを自らに向けるか、他者に向けるか。残された思いが行き場を失い、暴走する。モノノ怪退治とは、人がこれまで蓄積してきた情念の浄化の意味合いを持つのだと。

 と、映画を観終わった後、そんな風に思った。ちなみに、観終わってすぐには、これらは言語化できなかった。あまりの情報量に、脳の処理速度がついていかなかったのだろうと思う。

 さて、今日はこの辺りで筆を置こう。

 続きはまた明日。

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