表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
5章 おじさんと帰省

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/95

90話 同行お化け

とある日、朝。


いつものホール。

いつもの匂い。

いつものBGM。


お気に入りの台。

レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「……。」


もう一回。

レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


横にユウト。

反対側にセイコ。


「……しばらく来れなくなるかもしれない。」


「「なんで!?」」


ハモんな。


「……父親が危篤らしい。今朝、母親から連絡があった。」


「……。」


一瞬、止まる。


「……何やってんの!?」


「……スロットだ。」


「そうじゃなくて!!今すぐ行かなきゃでしょ!!」


「……まだ死んでないぞ?」


「そういうことじゃない!!」


「……。」


「実家どこ!?」


「……北の方だな。」


「雑すぎる!!」


「……。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「……。」


「新幹線!!」


「……。」


「もういい!私が取るから!!」


「いや、自分でできるが。」


「おじさんに任せてたら五年くらいかかるでしょ!!」


「そんなにかかるか。2ヶ月あれば行ける。」


「馬鹿なの!?」


「……。」


セイコ、スマホ。


ぽちぽち。

早い。

見えない。


「はい、取れた!!」


「……早いな。」


「今から行くよ!!」


「……まて。」


「なんでよ!!」


「…当たった。」


ランプが光っている。

至福の光。


「……な?」


「うるさいよ!!」


「終わるまで待て。」


「待たない!!」


「……。」


結局、消化してから立つ。


「……。」


新幹線の停車駅まで向かう電車の中。


「……。」


「……で?」


「なに?」


「なんでお前もいる。」


セイコ。

当然のように横。


「えー、なんか勢いでチケット2枚取っちゃったし。」


「……。」


「……キャンセルできなかったし。」


「……はぁ。」


ユウトが苦笑い。


いや、ユウト君。君もだけどね。


「おじさんさ、何でそんなにいつも通りなの?」


少しだけ考える。


「……別に。」


「……焦ってもどうにもならんからな。」


「……そうだけどさ。」


セイコは不満そうだ。


ユウトが横で言う。


「……ちゃんと行くよね?」


「あぁ。」


人。

電車の音。


帰るの、いつぶりだ?


「……。」


思い出そうとして。


やめる。


「……。」


まあいいか。


「……。」


とりあえず。


行けば分かるだろ。


「……。」


新幹線の停車駅に着く。


ギィ。

電車のドアが開く。


少しだけ。


故郷の匂いを思い出していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ