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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
4章 おじさんと迷子

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84話 般若のお化け

夜。


終わらない。


「……。」


そのまま、歩いて。

立ち止まって。

また、歩いて。


「……。」


気がつけば、

空が少しだけ明るくなっていた。


青とも灰色ともつかない色が、

街の上にぼんやりと広がっている。


「……。」


朝。


人が増える。

足音。

車の音。

誰かの会話。


「……。」


ノイズが増える。

世界が複雑になる。


「……。」


遠くなる。

さっきまで感じていた“それ”が、

少しずつ、埋もれていく。


「……。」


目を細める。

ピントを合わせる。


「……。」


ざらつく。

でも、掴めない。


「……。」



昼。



空は、やけに高かった。


影が短くなる。

人の流れは、途切れない。


「……。」


疲れた。

視界が、少しだけ滲む。


「……。」


「……なんで。」


小さく。


「……。」


足が止まる。


「……。」


あたし、なんで、こんな風になるまで頑張ってるんだっけ。


「……。」


分からなくなった。


「……。」


その時。

風が吹いた気がした。


「……。」


ほんの一瞬。

全ての音が、消えた。


「……。」


「……。」


懐かしい感じ。


声?


「……?」


顔を上げる。


「……。」


気のせい。


今はそう思おう。


「……。」


視線を動かす。


通りの向こう。


うどん屋。

暖簾が揺れている。


「……。」


そこから。


「……。」


出てくる。


「……。」


あの人。

満足そうな顔。


「……。」


昨日のことが、フラッシュバック。

アタシハコンナンニナッテルノニ。


「……。」


むかつく。


「……。」


フライパン。

フライパンの平たいとこで叩く。

どこ。

フライパン。


「……。」


あたし、ちょっとおかしくなってる。


「……。」


足が動く。


「……。」


まっすぐ。

向かう。


「……。」


「……。」


おじさんが、こっちを見る。


「……。」


一瞬だけ。

固まる。


「……。」


「……ど、どうした?」


気のせい?顔がひきつってる。


「……。」


「……別に。」


言いながら。


「……。」


ちょっとだけ、

足が震えていた。

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