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80話 たどり着いたお化け
夜。
帰り道。
「……。」
自転車は少しだけ冷える。
「……。」
「……ふぅ。」
息を吐く。
「……。」
その時。
横。
「……。」
走ってるやつ。
息を切らしてる。
だから並走するな。
「……。」
誰もいない道。
一人で。
ずっと。
「……。」
「……ゴール、何処ですか?」
小さく、呟く。
「……。」
おじさん。
ちらっと見る。
「……。」
「……そんなもん、自分で決めろ。」
それだけ。
「……。」
幽霊は目を見開き。
加速。
加速。
加速。
「……。」
「……。」
「……辿り着けるといいな。」
「……。」
その瞬間。
幽霊の足が、止まる。
「……。」
両腕を高々と上げ。
「……。」
ふっと、消える。
「……。」
「……。」
「……なんだそれ。」
小さく、笑う。
「……。」
ほんのり白い息が、夜に溶ける。
ーーーーーーー
家。
「……。」
電気をつける。
座る。
「……。」
スマホ。
?
通知がある。
「……。」
開く。
「……。」
メッセージ。
先輩。
『ウチ蹴った後、就職したかー?』
『また一緒に打ちに行こうぜ。』
「……。」
少しだけ、間。
「……。」
口元が、上がる。
「……。」
煙草に火をつける。
一口。
「……。」
吐く。
煙が部屋に広がる。
「……。」
うん、悪くない。




