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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
3章 おじさんと昔日

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78話 共犯のお化け

「……。」


音。


「……。」


光。


「……。」


リール。


「……。」


全部。

そのまま。


「……。」


いつものホール。


「……。」


立ってる。


「……。」


戻ってる。


「……。」


少しだけ、息を吐く。


「……はぁ。」


変わらない。


「……。」


何も。

変わってない。


「……。」


でも。


「……。」


知ってる。


「……。」


さっきのやつ。


「……。」


あの人。


「……。」


あの時間。


「……。」


全部。


「……。」


残ってる。


「……。」


消えてない。


「……。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れ。


「……。」


ズレてる。

少しだけ。


「……。」


「……ちょっと早い」


口に出る。


「うるさいよ。」


「……。」


その一言。


「……。」


同じだ。


「……。」


あの時と。


「……。」


でも。


「……。」


違う。


「……。」


隣にいる。


「……。」


あいつ。


「……。」


変わってない。


「……。」


何も知らない顔で。


「……。」


いつも通り。


「……。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

——外れ。


「……。」


続ける。


「……。」


「……。」


少しだけ、間。


「……。」


「……なあ。」


「……なんだよ。」


「……。」


言いかける。


「……。」


言ってやらない。


「……。」


「……なんでもないや。」


「……は?」


「……別に。」


「……変なやつ。」


「お互い様でしょ?」


「……。」


少しだけ、笑う。


「……。」


目が、離せない。


「……。」


あの人は、あのまま。


「……。」


ずっと。


「……。」


焼き付く程眺めた、あの時のまま。


「……。」


「……。」


胸の奥。

少しだけ痛い。

幽霊のくせに。


「……。」


なんでかは、分かってる。


「……。」


でも。


「……。」


言わない。


「……。」


教えてやらない。


「……。」


レバーオン。

回る。

止める。

——揃う。


「お。」


「お。」


ハモる。


「……。」


「……。」


「……バカじゃねぇの。」


小さく、笑う。


「……。」


でも。


「……。」


視界が、滲む。


「……。」


あー。


「……。」


ほんと、バカだ。


「……。」


涙が、止まらない。


「……。」


でも。


「……。」


ほんの少しだけ。


何かが埋まった気がした。

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