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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
3章 おじさんと昔日

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72話 並ぶお化け

「……。」


同じホール。

さっきと同じ場所。


でも。


「……。」


違う。


いる。

二人。

並んで座ってる。


「……。」


おじさん。

少しだけ若い。


隣。


「……。」


知らないやつ。


スーツ。

姿勢、少しだけ前。


「……。」


距離が近い。

自然に。


「……。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「ほら。」


隣の男が言う。


「また早いって。」


「……いや、今のは——」


「いやじゃねえって。」


「……うるさいっすよ。」


「うるさくねえよ。」


「今のいけてたでしょ。」


「全然いけてねえ。」


「厳しいっすね。」


「仕事以外は厳しいんだ、俺は。」


「……。」


少しだけ、笑ってる。


「……。」


もう一回。


レバーオン。

回る。

止める。

——揃う。


「お。」


「ほら。」


「たまたまっすよ。」


「たまたまで揃わねえよ。」


「……うるさいっすよ。」


「それ便利だなー。」


「便利っすね。」


「……。」


また、笑う。

軽い。

空気が。


「……。」


台。

見る。

紫。

やたら派手。

上。 でかいスピーカー。

左。 意味ありげなバー。


「……。」


古い。

でも。


「……。」


二人は気にしてない。

当たり前みたいに。


「……。」


距離。

近い。


「……。」


こんなだったか。


「……。」


知らない。

いや。


「……。」


知ってるはずなのに。


「……。」


違う。


レバーオン。

回る。

止める。

外れる。


「だからそこだって。」


「分かってますって。」


「分かってねえからズレてんだろ。」


「……うるさいっすよ。」


「ほんと雑だな。」


「そうっすかね。」


「そうだよ。」


「……。」


また。

笑う。


「……。」


楽しそうだ。


「……。」


その顔は知らないな。


「……。」


目が離せない。


「……。」


ずっと、見てる。

並んでる。

それだけで。


「……。」


なんか。

少しだけ。

ざらつく。


「……なんだよ、今より楽しそうじゃんか。」


小さく呟く。

答えはない。


ただ。

二人は。

ずっと、並んで打っていた。

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