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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
2章 おじさんと旅行

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67話 当たりを知りたいお化け

朝。


いつものホール。


いつもの匂い。

いつものBGM。

いつもの空気。


「……。」


戻ってきた。


「久しぶりだな。」


思わず漏れる。


お気に入りの台へ向かう。

派手に勝てない、派手に負けない。

そんな台。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「相変わらずちょっとはやい。」


「うるさいよ。」


横からユウト。

いつものやり取り。


「……。」


もう一度。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「……。」


その時。


「……ねえ。」


上から。


「……。」


「それ、当たる?」


これもいつものこと。


「当たって欲しいけどな。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「ねえ、当たる?」


「知らん。」


「当たる?」


「……。」


「……。」


ユウトが笑う。


「相変わらずモテるねぇ。」


「嬉しくない。」


「……ねえ。当たる?」


「うるさいよ。」


「……。」


少しだけ静かになる。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。


「……。」


一瞬。


ランプが光る。

当たり。


「お。」


「お。」


ハモんな。


ユウトが言う。


「入ったな。」


「あぁ。」


「……ねえ。」


小さく。


「……これ、なに?」


「当たりだな。」


「……え?」


「ボーナス。」


「……。」


少しだけ間。


「……これが?」


「そうだ。」


「……。」


ユウトが横で言う。


「光るだろ?」


「……うん。」


「それ。」


「……。」


また少しだけ間。

それから。


「……ありがとう!」


急に。

声が明るくなる。


「こんな当たりだったんだね!」


「……。」


そのまま。

ふっと。

消える。


「……。」


静か。

いや。

ホールはうるさいまま。

でも。

さっきまでのやつはいない。


「……。」


ユウトがぼそっと。


「満足したな。」


「そうか。」


「そうだよ。」


「……当たったことなかったのか。」


それは悲しいな。


メダルが出る。

音。

増える。

それだけ。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

当たる。


「……。」


「……。」 


ユウトが笑う。


「連れてきたんじゃないか?」


「やめろ。」


さらに大きく笑う。


音と光の中。

いつも通り。

今日もリールを回す。

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