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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
2章 おじさんと旅行

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65話 夕暮れのお化け

夕方。


海。

波の音。

風。


人は、少ない。


「……。」


砂浜。

靴のまま歩く。


「……。」


少しだけ、涼しい。


「……いいね。」


セイコが言う。


「そうか。」


「さっきまで暑かったのに。」


「そうだな。」


「落差すごい。」


ユウトが小さく笑う。


「沖縄っぽいな。」


「ああ。」


それだけ。

波が寄せて、返す。


「……。」


少しだけ間。


セイコが、ぼそっと。


「……疲れた。」


「そうか。」


「見すぎたかも。」


砂を軽く蹴る。


「……でも。」


少しだけ間。


「前より分かる。」


「そうか。」


「うん。」


「……。」


ユウトが言う。


「慣れてきてる。」


「時間の問題だな。」


「どう説明しよう。」


「さあな。」


また波の音。

夕日が少しずつ落ちていく。


「……。」


セイコが、目を細める。

海じゃない。

少し横。

俺の隣。


「……。」


ピント。

ざらつき。


「……。」


一瞬だけ。

ノイズ。


「……。」


でも。


「……まだ分かんない。」


目を戻す。

少しだけ迷う。

それから。


「……ねえ。」


「ん。」


「おじさんの隣。」


「何か、いる?」


「あぁ。」


あっさり。


「……なに?」


「さあな。」


「いや気になるでしょ。」


「そうか。」


「そうだよ。」


ユウトが横でぼそっと。


「助かった、ありがとうおじさん。」


「なんでだ。」


「いや、色々あるんだよ。」


「そうか。」


「そうだよ。」


セイコが少しだけ眉をひそめる。


「……。」


もう一度、目を細める。


「……。」


ノイズ。

でも。

やっぱり、分からない。


「……。」


息を吐く。


「……いいや。」


「いいのか。」


「おじさん独り言の時その隣のと話してたんだね。」


「たぶんな。」


「やめた方がいいよ?それ。」


少しだけ笑う。


「……。」


また静かになる。

遠く。

誰か立っている。

夕日の中。

シルエット。

いつものやつ。


「……。」


でも、関わらない。

ただ、いるだけ。


「……。」


風が吹く。


「……ねえ。」


セイコが言う。


「ん。」


「……沖縄、変だね。」


「いいところだ。」


沖スロ楽しいし。


「……そうかもね。」


ユウトが横で笑う。


「俺は焦ること多かったけど。成仏させられるところだったし。」


「そうなのか?」


「そうだよ。」


それだけ。

波の音だけが続く。

夕日が、ゆっくり沈んでいく。


何もしていない。


「……。」


風。

波。

人は、少ない。

沖縄の一日が、終わる。

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