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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
2章 おじさんと旅行

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61話 見ているお化け

昼。


喫煙所。

日陰。

灰皿。

人、少ない。


「……。」


タバコに火をつける。

煙。


「……なんであんなに長いんだ。」


小さくぼやく。


「買い物なんてすぐ終わるだろ。」


ユウトが横で笑う。


「無理だね。」


「そうかよ。」


「そうだよ。」


煙を吐く。


「……多すぎる。」


「人?」


「人も、それ以外も。」


「そうだね。」


少しだけ間。

煙が上がる。


「……さっきのやつ。」


ユウトが言う。


「ん。」


「どう思う。」


「ホールの男か?」


「うん。」


「どうも思わんが、沖スロは楽しい。」


「そうじゃない。」


「たのしいぞ?」


「……よかったね。」


「……。」


静か。

さっきまでの音が、遠い。


その時。


「……。」


ふと、視線。


「……。」


何だ?


「……。」


ユウトが、少しだけ眉をひそめる。


「……見られてるな。」


「そうだな。」


「気づいてる?」


「ああ。」


「いや……。」


言いかけて、やめる。


「……まあいいか。」


「そうだな。」


「いいのかよ。」


「いいだろ。」


煙を吐く。


「……。」


タバコを灰皿に押し付ける。


「……戻るか。」


「逃げる?」


「戻るだけだ。」


「はいはい。」


喫煙所を出る。

人。

音。

熱。


「……。」


セイコが店の前にいる。

袋が増えている。


「……遅い。」


どっちがだーーーープレッシャー。


「そうか。」


「そうだよ。」


「買ったのか。」


「買った。」


「そうか。」


「見てこれ。」


「いいな。」


「絶対見てないでしょ。」


「スゴイミテルヨー。」


「嘘じゃん!」


ユウトが笑う。


「通常運転だな。」


「通常だ。」


「……。」


セイコが、少しだけ顔をしかめる。


「どうした。」


「……なんか。」


間。


「さっきから、見られてる気がする。」


「気のせいだろ。」


「いや……。」


言い切れない。


「……いるな。」


「いるの?」


「……たぶん。」


「たぶんって何。」


「分かるけど、分からない。」


「なにそれ。」


「たぶん人のだ。」


「……。」


セイコは目を細める。

ざらつき。

人の流れの中に。

ほんの少しだけ、違うもの。


「……。」


でも。

はっきりしない。


「……やだな。」


小さく呟く。


「観光地だからな。」


「そういう意味じゃない。」


「そうか。」


「そうだよ。」


また歩く。

人混み。

その中で。


「……。」


背中。

視線。

振り返る。

誰もいない。

でも。


「……。」


いる。

気がする。

何も起きないまま。

午後は過ぎていく。

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