50話 通れないお化け
朝。
空港。
人が多い。
「……早すぎる。」
あくび。
リュックひとつ。
横のセイコ。
でかい荷物。
多い。
「商人かよ。」
「必要なの!」
「売り物は大事にしろよ。」
「売り物じゃない!」
「じゃあ何が入ってるんだよ。」
「色々!」
「……。」
ユウト。
横。
いつも通り。
人の流れ。
搭乗前。
手荷物検査。
「次の方どうぞー。」
「……。」
トレーにリュックを置く。
通る。
ピッ。
「……?」
もう一回。
ピッ。
「お客様、一度こちらへ。」
「……。」
めんどくさい。
横にユウト。
「あー……。」
「……お前か。」
「たぶん?」
「たぶんじゃないだろ。」
係員、困った顔。
「金属類などお持ちでは——」
「持ってない。」
再チェック。
何もない。
でも。
ピッ。
「……。」
ユウト、苦笑い。
「俺、通れないのかも。」
「……置いてくか。」
「ひど。」
「上から通ればいいだろ。」
「あー、そうか。」
「……。」
ふと。
隣に男の幽霊。
「通れないねぇ。」
嬉しそう。
「……はぁ。」
今度は一人で行く。
鳴らない。
「……あーぁ。通れちゃったねぇ。」
寂しそうに言って消えた。
「何だったんだ。」
ユウト、戻ってくる。
「また絡まれてたの?」
「うるさいよ。」
セイコと合流。
「遅いよ!」
「引っかかった。」
「何やったの!?」
「何もしてない。」
「怪しい!」
「アヤシクナイヨ。」
「……雑。」
歩く。
搭乗口へ。
ざわざわ。
人の流れ。
「……沖縄、か。」
「うん!」
ユウト。
「……増えるかもなー。」
「やめろ。」
セイコ。
振り返る。
「またブツブツ言ってる!」
「独り言だ。」
「……おじさんが雑だったり独り言言ってる時って、たぶんあれが関係してるんでしょ?」
「……。」
答えない。
「私ははっきり見えないからな……。何か、ズルい。」
見えない方がいいんじゃないかな。
面倒臭いよ、色々と。
アナウンス。
搭乗開始。
列が進む。
一歩。
踏み出す。
境界線を越えた。
そんな感じがした。
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おじさんIN沖縄。
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