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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
1章 おじさんと日常

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39話 会いたいお化け

いつものホール。

いつもの匂い。

いつものBGM。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「……。」


もう一回。

レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れる。


「……。」


スロット打てる幸せ。

負けてるけど。


「……帰るか。」


席を立つ。

カウンター。

愛想のいい店員。

交換。

少ない。

悲しい。


「……。」


外。

風はぬるい。


少しだけ夜の匂いがした。

喫煙所。

灰皿。


ポケットをまさぐる。

煙草。

100円ライター。

火。

点かない。

そろそろ交換か?


やっと点く。

吸う。

煙、重い。


「……。」


「……なあ。」


「……はぁ。」


ため息。


横にいつの間にか、立っている。

男。

透けてる。


「……。」


「……頼みがある。」


少し間があった。


「断る。」


即答。


「……。」


男、少しだけ困る。


「……聞くだけでも。」


「……嫌だ。」


煙、吐く。

風で少しだけ流れる。


「……。」


「……おじさん。」


「……。」


ユウト。

さっきまで、いなかった。


「……。」


「……なんだよ。」


「……話くらい、いいじゃん。」


「……。」


面倒くさい。

煙、もう一口。


顎でしゃくる。


男、少しだけ顔を上げる。


「……ありがとう。」


「……やるとはいってない。」


「……。」


間。


「……会いたいんだ。」


「……。」


「……娘に。」


「……。」


煙、吐く。

少しだけ、長く。


「……。」


「……。」


「……。」


「……ちょっとでいい。」


「……。」


「……顔、見てえ。」


「……。」


ユウトを見る。

少しだけ、距離がある。


「……。」


「……どうする?」


「……知らねえよ。」


「……。」


「……俺じゃ、無理だから。」


「……。」


「……おじさんなら、なんとかなるかもって。」


「……。」


煙、吸う。

火が、少しだけ短くなる。


「……。」


「……場所は。」


「……ここから、少し。」


「……。」


「……はぁ。」


「……頼む。」


「……。」


灰、落とす。

音もなく、崩れる。


「……案内しろ。」


「……。」


男、深く頭を下げる。


「……ありがとう。」


「……。」


立つ。

歩く。

外。

夜。

空気は少しだけ冷たく。


「……。」


ユウト。

少し、後ろ。


「……。」


「……ねえ。」


「……。」


振り向く。


「……なんだよ。」


「……。」


一瞬。

少しだけ、遠い。

輪郭が、ぼやける。


「……。」


「……いや。」


「……。」


また、歩く。


夜の喧騒がやけに耳障りで。

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