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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
1章 おじさんと日常

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36話 回収お化け

朝。


風は、少し冷たい。


「……。」


ペダル踏む。

ギィ、と鳴る。

白い愛車。


「……行くぞ、イングラム。」


小声。

誰も聞いてない。

聞かれてはいけない。


「……。」


いつもの道。

いつものホール。


「……。」


止める。

ギィ。

スタンドを立てる。

鍵、かける。

盗られたら、泣く。

泣かないけど。


「……。」


人は、まだ少ない。

よく見る顔ぶれ。

いつもの淀んだ空気。


「……。」


「……あのさ。」


「……。」


後ろ。

気配。

セイコ。


「……なんだよ。」


「……ちょっと、いい?」


「よくない。」


「いいから。」


「……。」


「……何。」


「……お願いがあるんだけど。」


「……。」


嫌な予感。


「……お断りだ。」


「……だと思ったけど。」


「……。」


「……友達がさ。なんか、変なの。」


「……。」


「……ずっと、黒いのついてるの。私でも見えるくらい。……おじさんなら、なんとかできるでしょ?」


「……できない。」


「嘘。こないだしてくれたじゃん。」


「……してない。」


「……。」


セイコ、じっと見る。

引かない目。


「……。」


めんどくさい。

スロット打ちたい。


「……プロに頼め。寺とか。」


「……。」


「……じゃあな。」


「……。」


喫煙所へ向かう。

ドア、押す。

ガタン。


「……。」


火を点ける。

一口。

煙。

白く伸びる。


「……。」


「……おじさん。」


「……。」


横。

ユウト。

浮いてる。

真面目な顔。


「……なんだよ。お前まで。」


「……行ってやってくれない?」


「嫌だ。」


「……俺じゃきっと役に立たないから、……あの子を助けて欲しいんだ。」


「……。」


「……おじさん。頼むよ。」


「……。」


煙を吐く。

ゆっくり。


「……。」


「……一回だけだぞ。」


「……!」


ユウト、パッと明るくなる。


「……。」


煙を吐ききる。

灰皿に押し付ける。


「……。」


ドアを開ける。

ガタン。


セイコ。

いた。

近づく。


「……一回だけだ。」


「……え?」


「見るだけだぞ。あいつらの帰らせ方なんか、わからん。」


「うん。ありがとう!」


「……案内しろ。」


今日は打てない。


「……。」


「……俺は除霊なんかしたくない。」


「……あはは。」


セイコ、笑う。


「……。」


歩く。

風はぬるい。


「……。」


ユウト。

後ろからついてくる。


「……。」


ユウトの奥。

少しだけ未練がましく、ホールを見つめた。

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