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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
1章 おじさんと日常

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32話 区切りのお化け

朝。


風は少しだけ冷たく。


「……。」


ペダル踏む。

ギィ、と鳴る。

白い愛車。


「……行くぞ、イングラム。」


小声。


誰もいない。

聞かれてない。

聞かれてはいけない。


「……。」


道は空いてる。


同じ時間。

同じルート。


「……。」


考えることは特にない。


「……。」


ただ、踏む。

ギィ、ギィ。


「……。」


信号、青。

そのまま抜ける。


「……。」


店が見えてくる。

看板。

いつもの色。

いつもの風景。


「……。」


少しだけ、速度落とす。


「……。」


止める。

ギィ。

スタンド、立てる。


「……。」


鍵、かける。

盗られたら泣く。

泣かないけど。


「……。」


人は少なく。

並び、少し。


「……。」


そのまま、喫煙所。


ドア、押す。

ガタン。


「……。」

ポケットをまさぐる。

100円ライター。

火を点ける。


一口。

煙。

朝なのに、もう重い。


「……。」


壁。

もたれる。


「……。」


吸う。

ゆっくり。


「……。」


吐く。

白い。

煙は少しだけ伸びた。


「……。」


人はまばら。

いつもの顔。

いつもの距離。


「……。」


灰、落とす。

トン。


「……。」


もう一口。


「……。」


足音。


「……。」


気にしない。

どうせ知らないやつ。


「……。」


煙、吐く。


「……。」


横。

気配。


「……。」


視線だけ、やる。


「……。」


「……。」


灰が、落ちる。

ポロ。


「……おう。」


それだけ。

少しだけ。

口の端、上がる。


「……。」


ユウト。

普通の顔。

普通の声。


「……。」


もう一口、吸う。


「……。」


「……早いな。」


「おじさんも。」


「……まあな。」


「……。」


間。

特に何もない。


「……。」


「……打つの?」


「打つ。」


「そっか。」


「……。」


それだけ。

煙、吐く。


「……。」


ユウト、少しだけ空を見る。


「……。」


変わったかどうかは——


「……。」


分からない。


「……。」


吸い終わる。

短い。


「……。」


灰皿。

押し付ける。

ジュ、と鳴る。


「……。」


「……行くか。」


「うん。」


並ぶ。

自然に。


「……。」


外。

列。

少し伸びてる。


「……。」


前を見る。


「……。」


「……なあ。」


「なんだよ。」


「……いや、なんでもない。」


「……そうかよ。」


「……。」


それだけ。


「……。」


開店の音。

ガチャ。


「……。」


ドア、開く。


「……。」


入る。


いつもの匂い。

いつものBGM。

いつもの光。


「……。」


少しだけ、違う気もする。


「……。」


「……。」


座る。

レバーオン。

リールが回転する。


「……。」


リールが回る。


回る。



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