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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
1章 おじさんと日常

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26話 兆しのお化け

※視点が変わります。

深夜。


いつものホール。


……のはずだ。

静かすぎる。

揺れてる。


何が?


分からない。


ただ、

何かが、浮かんでくる。


女。


車。


スロット。


おじさん。


順番も意味もない。


ただ、ある。


見てる。


……飽きる。


「——ユウト」


声。


俺?


ユウト。


ゆうと。


優人。


……それ、俺か?


まとまらない。


鬱陶しい。


まとめる。


火をつける。


燃やす。


ゆらゆら、燃える。


消えろ。


「……俺、誰だ。」


口に出る。

誰もいないのに。


「……ユウト、か。」


しっくり、こない。


おじさん。


やさしい。


でも、


無愛想。


スロット。


やさしくない。


でも、


ずっといる。


女。


……嫌だ。


ざらざらする。


思い出したくない。


車。


「——」


そこで、止まる。


なんだこれ。


分かりそうで、


分からない。



掴みかけて、




逃げる。





「……。」






苛立つ。









——その時。














ユウト!!!!


「……っ、は?」


視界が、戻る。

明るい。

うるさい。

いつものホール。


「……なんだよ。」


「……どうした、幽霊の癖に寝るのか?」


「……寝てた?」


自分でも分からない。


「……知らんけどな。」


いつもの声。

いつもの感じ。


「……。」


レバーを叩く。

回る。

止める。

——外れ。


いつも通り少しはやい。

ズレた目押し。


「……。」


なんか、気持ち悪い。


「……なあ。」


「……なんだよ。」


「……今さ。」


言いかけて、止まる。


「……。」


思い出せない。


「……いや、いいや。」


「……は?」


「……忘れた。」


自分で言って、ちょっと笑う。


「……でも。」


腕をさする。


「……なんか、残ってる。」


嫌な感じ。


「……。」


もう一回、レバー。

回る。

止める。

——外れ。


「……。」


通路を見る。

誰もいない。

……のに。


「……なあ。」


「……なんだよ。」


「……俺さ。」


少しだけ、考える。


「……。」


「……なんだよ。」


「……いや、なんか。」


うまく言えない。


「……呼ばれた気がしてさ。」


「……。」


返事がない。


「……まあ、いいか。」


どうでもいい気がしてくる。


レバーを叩く。

回る。

止める。


——当たり。


「……お。」


——ハモれない。


「……。」 


ほんの一瞬だけ。

通路の端を見る。


「……。」


誰もいない。


……はずなのに。


「……なんだよ。」



さっきまで、

“何かがいた感じ”だけが、

残ってる。


「……。」


気のせいか。

まあ、いいか。

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