表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
1章 おじさんと日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/109

18話 居座るお化け

いつものホール。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れ。


「……。」


もう一回。

レバーオン。

止める。

外れ。


「……ズレてる。」


「うるさいよ。」


「いつも少し早い。」


「じゃあ気持ち遅らせてみるか。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れ。


「それは遅すぎる。」


「お約束だな。」


「長いんでしょ?歴。」


「関係ない、見えないモンは見えない。」


いつものやり取り。


「……。」


レバーに手を置く。


「……なあ。」


「なんだ。」


「万枚ってさ。」


「おう。」


「出たら、どうなんの。」


「……嬉しい。」


「……ふーん。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れ。


「……別に。」


「なんだよ。」


「最近のおじさんなら。」


「……。」


「その内出せるかもね。」


「まあな。」


「……。」


そのとき。


「……ねぇ。」


後ろから声。

振り向く。

知らない女が立っている。

年はよくわからない。


「……誰だよ。」


「俺に聞くなよ。」


「何。」


「私ね。」


少しだけ笑う。


「帰っていいらしいんだけどさ。」


「……は?」


「なんか、そういう感じになってる。」


「うん、気を付けて。」


「うん。」


少しだけ間。


「でもまあ、いいかなって。」


「何がだよ。」


「なんか。」


「なんかじゃわからん。」


「そうなんだけど。」


女は、島の方を見る。

回ってるリール。

光。

音。


「……。」


「ここ、別に嫌じゃないし。」


「……。」


「困ってないし。」


「……。」


少しだけ間。


「……だから帰らないのか。」


「うん。」


「帰れないんじゃなくて?」


「どっちでもいいかな。」


「……。」


「そのうち帰ると思うけど。」


「今帰ってほしい気持ちでいっぱいだな。」


「いや、なんか——」


少しだけ考えて、


「めんどい。」


「……。」


ユウトが小さく息を吐く。


「……変なの。」


「そう?」


「そうだろ。」


「まあ、そうかも。」


女は嬉しそうに笑う。


「……。」


レバーオン。

リールが回転する。

止める。



——リーチ目。


「お。」

「お。」

ハモんな。


ふと横を見る。

さっきの女はいない。


「……。」


「帰ったか。」


「どうだろ。」


「いないな。」


「……そうだね。」


視線を戻す。


「……。」


少しだけ間。


「お前はその内帰るのか。」


「……。」


少しだけ間。


「……さあね。」


「なんだそれ。」


「いいから万枚出してみなよ。」


「そうかよ。」


「……。」


ボーナス終了。


レバーオン。

リールが回転する。

止める。

外れ。


「……帰るか。」


「早いな。」


「なんか、いいや。」


「そうか。」


席を立つ。

歩き出す。


「……。」


出口の前で、少しだけ止まる。


「お前はさ、」


「どうした。」


「……いや、なんでもない。」


そのまま外に出る。

音が遠くなる。


「……。」


少しだけ間。


「……明日はどうしようか。」


「変わらないだろ。」


「……だよな。」


風が通りすぎた。


そんな気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ