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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
8章 おじさんと新台

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149話 みいられるお化け

※セイコ視点

最近、前よりユウトをはっきり認識出来るようになった。

声も前より聞こえる。

でもまさかおじさんの近くにいたあのザラザラがユウトだったとは、思ってもみなかった。

彼には感謝の念はもちろんある。

ただ恋愛の感情は今は、もうわからない。

どうしようもないのだ。

だって彼はもう。


おじさんもおじさんだ。

何でもっと早く教えてくれなかったのか。

まあ、あの人は私たちの事情なんて知らないし、例え教えてもらったとしても、その時の私にはユウトを認識する事はできなかった。


何か無性にフライパンを磨きたくなってきたな。


閑話休題。


今、私は友達の家に遊びに来ている。

昔から仲がいい子でかれこれ10年以上の付き合いだ。ちなみに彼女はアラト君の姉でもある。


「アラトとキクエちゃんに付き合ってくれてありがとうね!」


朗らかに友人が笑う。

彼女はオカルトというか、怖い話が苦手だ。

だからこの前の七不思議の件も断っている。


「全然!私も楽しかったし。」


「でさー、セイコの目から見てどう?」


「ん?何の話?」


「アラトとキクエちゃん!いい感じだと思わない?」


アラト君とキクエちゃん。

何て言うんだろう。

キクエちゃんの引力に、アラト君が振り回されてる印象しかない……。


「……仲は良さそうに見えたよ?」


「キクエちゃんかわいいからアラトもボヤボヤしてたら見捨てられそうでねー。」


んー、どうだろう。

私から見た感じ、キクエちゃんの方がアラト君のこと気にしてる風だったけどな。


中学生の恋愛話で盛り上がる社会人女達。

自分達の話しは悲しいかな、ないのだ。

職場は職場で分けたいし。

でも職場以外だと出会いなどない。

ほぼ詰んでない?これ。


ふと、やる気も覇気も職もないおじさんが頭に浮かんだ。

いやいや、いやいやいやいや。

ないよ、ないない。


ぶっきらぼうだし。

優しいとこもあるけど。

不精髭だし。

顔は割と整ってるけど。

何考えてるかわかんないし。

実家泊めてもらったけど。


………………。


「どしたの?セイコ。」


「え?いや?別に?」


「ただいまー。」


アラト君が帰ってきた。


「「おかえりー。」」


「あ、セイコさん、来てたんだ。」


アラト君の顔を見た瞬間、私は悲鳴をあげそうになった。


彼の両頬にくっきりと黒い人の手のアザが浮かび上がっていたからだ。


友達の様子を見るに、これはどうやらあれの類いらしい。

うーん、これ。

どうしよう。

私だと、どうしようもないやつじゃない?


「あ、会社から電話だ。何だろう、この時間に。」


友達は電話している。

今なら聞けるか。


「……、ねぇ、アラト君。なんか、変なこと、した?」


アラト君は固まり、


「ナニモシテナイヨ。」


「嘘でしょ。」


あれ、なんだろう。なんか懐かしい。


「……キクエがさ、コックリさんを検証したいとか言い出したんだ。」


コックリさん。

私も知ってる。

やったことは、ないけど。


「なんか本格的なやつ?らしくて。それを二人でやったんだけど。」


本格的なやつ?

よくわからないな。


「終わったあと、やたらキクエが俺を心配してきてさ。」


あー、キクエちゃん、たぶん見えてるもんな。


「やたら大丈夫ですか?体が重いとかふらつくとかありませんか?って」


「んー、アラト君。たぶん変なの憑けちゃってる。」


「え?」

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