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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
8章 おじさんと新台

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148話 ぐるぐるお化け

※サクラ視点

昼。


最近行くホール。


よくサイ兄に連れられて行ったところとは違うホール。


セイコは。

今日は来てなさそう。

他に知ってる背中を探す。


見つけた。


何、あれ。

何か負のオーラが見える。


「やっほー。」


「……おう。」


おじさん。

変な人。

元から覇気なんてなかったけど。

いつもにも増して今日はない。

むしろオドロオドロしい何かを感じる。


「ねえ、おじさん、どうしたの?」


ビクッと反応するのは、確かユウトって言ったっけ。

変な幽霊。

前より何となく重くなった。


「なんか、座りたい台になかなか座れないらしいよ。」


「ふーん。」


思った以上にくだらなかった。

それにしても不思議だ。

沖縄にいた頃、こうやって幽霊と話すことなんてないと思っていた。


「セイコは?」


「今日は来てないよ。」


やっぱり。

ケーキでも食べに行こうと思ったのに。


「……帰る。」


「……おう。」


「え、あ、また。」


そのまま席を立つ。


自動扉がひらく。

外。


歩く。

とくにやることもない。


この町はおもしろい。


人も幽霊も。

いろんなものがいる。

いろんなものがある。

沖縄にずっといたらみえなかったもの。


友達。

サイ兄より強いおじさん。

スズ姉でも戻せない幽霊。

都市伝説。

何も見えないのに巻き込まれる少年。

己の興味に貪欲で、止まらない、自分に似た少女。


適当に歩く。

ぐるぐる歩く。

ぐるぐる考える。

考えることは好きじゃなかった。

考える必要もなかった。


サイ兄が教えてくれた。

スズ姉が守ってくれた。

世界は私たち3人だけだった。


あれはあれで幸せだった。

知らなかったからっていうのもあるけど。

でも今は知ってしまった。

見てしまった。

触れてしまった。


もうたぶん。

私はあそこには戻れない。

戻ったとしても前と同じようには振る舞えない。

私自身が変容しつつある。


そんなことを考えていたら。

私に似た少女と再会した。

偶然か必然か。


私はまた変容していく。



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