147話 走れお化け
俺は激怒した。
……新台取れなかった。
怒りにうち震えた俺。
向かった先はパチンコ。
何かもう今日は新台打つ気満々だったから、他のスロットなんか触ってられるか。
1000円入れる。
玉が出る。
弾く。
チェッカーに入る。
回る。
外れる。
選んだのはシンプルなやつ。
物事はシンプルであればあるだけいい。
パチンコも。
スロットも。
人間関係も。
世の理も。
元々パチンコも嫌いではない。
ただゲームに参加してる感じがスロットより薄い感じがするだけで。
弾く。
回る。
外れる。
弾く。
回る。
リーチ。
弱いな。
あたんねぇかな。
外れ。
そうだよね。
ニヤニヤしながらユウトが来た。
「新台取れなかったんだ?」
「うるさいよ。」
「珍しいね?パチンコ。」
「新台打つ気満々だったからな。萎えた。」
それにしても。
外れ。
外れ。
外れ。
……。
暇だな。
「この台で当ててみろよ!」
「誰だよ。」
顔色悪い。
霊によって霊の如くなんか寄って来やがった。
「当てられるもんなら当ててーよ。そりゃ。」
「……その台で、当たったことないんだよぉ、当たりを見せてくれよお。」
なんか粘っこい奴だな。
「知るかよ。」
外れ。
外れ。
外れ。
リーチ。
お、ちょい強。
……外れ。
「……。」
「……。」
「……。」
「……おい。」
「……。」
「……おい。」
「なんだよ。」
「いつ当たるんだよ!?」
「知らないよ。」
こっちだって当てたいんだよ。
ああ、くそ。気分転換だ。
席を立つ。
喫煙所。
吸う。
吐く。
煙が広がる。
缶コーヒー。
プシュ。
飲む。
苦い。
「甘いのにすればいいのに。」
ユウトが言う。
「……。」
ふと考える。
あれ、俺なんでブラック飲み出したんだっけ。
まあいいか。
すぐ忘れる。
「よし。戻るか。」
第2ラウンド。
右隣、ユウト。
左隣、謎の幽霊。
何で俺挟まれてるんだろ。
外れ。
外れ。
リーチ。
あれ、これ見たことないやつだな。
強かったりすーー外れ。
舐めてるな。
……帰ろうかな。
そもそも意地張って打っててもいいこと無さそうだし。
今日使わないで、明日新台に座れたら回せばいい、か。
そんなことを考え始めた。
ふ、と左隣。
謎の幽霊。
真剣な顔。
「……。」
「……。」
「……。」
ため息、ひとつ。
外れ。
外れ。
リーチ。
!!!??
これ、熱いヤツ!!
ぐ、ぐぐぐぐ……。
当たり。
「「「お。」」」
ハモんな。
しばらくラウンド消化を眺めた謎の幽霊はボソッと。
「ありがとう、これで俺は満足だ。」
「そうかよ。」
そして、笑顔で消えていった。
よし。
俺は
このまま大連荘と行きまーーー
単発でした。
やはり神は死んだ。




