145.5話 幕間のお化け⑦
ここには、
変わらないものと、
変わっている途中のものと、
勝手に増えたものがある。
例えば——
おじさん。
生きている。
やる気はない。 相変わらず、関わらない。
それでも——
前より、 少しだけ、
見ている。
終わらせない。
導かない。
ただ、そこにいる。
それだけで——
何かが終わる。
ユウト。
もう、生きていない。
どこにも行かないと、 決めている。
軽い。
でも、消えない。
ズレていない。
それでも——
決まりきってもいない。
触れることもある。
触れないこともある。
どちらでもない。
まだ——
途中にいる。
セイコ。
生きている。
見えるようで、見えない。
それでも——
前より、拾っている。
位置。
違和感。
声。
まだ、全部ではない。
それでも——
外さないことがある。
サクラ。
生きている。
見える。
触れる。
直せる。
ズレを、わかっている。
そして——
そのままにすることもある。
理由は単純。
面白いから。
そして。
増えたもの。
アラト。
生きている。
見えない。
でも——
巻き込まれる。
考える。
怖がる。
それでも——
逃げきれない。
記録する。
理由は、 よく分かっていない。
キクエ。
生きている。
少しだけ見えている。
そして——
見ようとする。
揃える。
並べる。
繋げる。
分からないまま、
進む。
止まらない。
そして。
ここには、
名前がついたものがある。
人面犬。
踏切。
花子。
口裂け女。
カーブミラー。
存在しない駅。
それぞれ、
決められている。
そういうものとして、
そこにある。
それでも——
同じものを、
見ているものがいる。
小さな光。
丸い影。
どこにでもいて、
どこにもいないもの。
「……。」
それは、
まだ、
決まっていない。
見るものによって、
変わる。
呼び方も、
在り方も。
「……。」
ここには、
決まっているものと、
決まっていないものと、
決めないものがある。
それらが混ざって、
崩れない。
理由は、
たぶん簡単だ。
誰も、
全部を決めないから。
「……。」
それを、
どう呼ぶかは。
まだ、
決まっていない。




