↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
7章 おじさんと七不思議

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
150/180

144話 縛られないお化け

※ユウト視点

夜。


「……。」


静か。


「……。」


ホールの喫煙所。

おじさんは煙草を吸ってる。


「……。」


「……さっき。」


小さく呟く。


「……。」


「……触れた。」


「……。」


スマホ。

重さ。

感触。


「……。」


「……おじさん、スマホ貸して。」


「……。」


おじさんは、ズイッと俺の顔の前へスマホを突き出す。


もう一回。

やる。


「……。」


触れない。


「……。」


「……は?」


もう一回。


「……。」


触れない。


「……。」


「……なんでだよ。」


「……。」


さっきは、

できた。


「……。」


今は、

できない。


「……。」


「……。」


「……ムラあるな、お前。」


「……。」


おじさん。

煙を吐く。


「……。」


「……シロとかよ。」


煙を吐く。


「……。」


「わらしも、河太郎も。」


「……。」


「……いつでもやってたけどな。」


「……。」


「……。」


「……あんなもののけ様たちと並べんな。」


小さく言う。


「……もものけ様、か。」


おじさんは楽しそうだ。


「……。」


「……俺、できないんじゃなくて。」


「……。」


「……出来ると思ってないだけか。」


「……。」


おじさんは何も言わない。


「……。」


煙だけ、吐く。


「……。」


「……。」


「……口裂けのやつがさ。」


「……。」


「……変なこと言ってたんだ。」


「……。」


「軽いのに、ぶれてない、とか。」


「……。」


「……自分で成ったのか、とか。」


「……。」


「……。」


おじさんは、少しだけ笑う。


「知らないよ。」


「……。」


「……。」


「……。」


「……でもよ。」


煙草を咥え直す。


「……。」


「……あいつらは、ああいうもんだ。」


「……。」


「……お前は違う。」


「……。」


「……。」


その言葉で、

止まる。


「……。」


「……違う。」


「……。」


「……俺さ。」


「……。」


「……決めてたのかな。」


「……。」


「……勝手に。」


「……。」


幽霊だから。

触れない。

そういうもんだって。


「……。」


おじさんの隣にいる。

それが、自分だって。


「……。」


決めてた。


「……。」


「……。」


思い出す。


「……。」


『縛るな』


『決めるな』


『固まるな』


「……。」


「……あー。」


小さく、笑う。


「……。」


「……なんだよ、それ。」


「……。」


「……。」


手を見る。


「……。」


触れるかもしれない。

触れないかもしれない。


「……。」


見えるかもしれない。

見えないかもしれない。


「……。」


どこにでも、

いけるかもしれない。


「……。」


「……。」


少しだけ、

上へ飛ぶ。


「……。」


「……。」


一瞬、

少しだけ、

不安になる。


「……。」


「……。」


戻る。


「……。」


その横に戻る。


「……。」


「……。」


少しだけ、

何か分かった気がした。

言葉にできるほど固まってはいない。

ほのかな感触。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。