142話 奪い取るお化け
※おじさん視点
昼。
いつものホール。
「……。」
いつもの匂い。
いつものBGM。
「……。」
レバーオン。
リールが回転する。
止める。
外れ。
「……。」
「……ちょっと早いって。」
「うるさいよ。」
「いい加減上達しなよ。」
「……。」
もう一回。
レバーオン。
回る。
止める。
外れ。
「……。」
「……あ。」
「……。」
「……来た。」
「……。」
嫌な予感しかしない。
「……。」
振り向く。
セイコ。
息切れてる。
「……おじさん!!」
「……何。」
「……見た!?」
「何を。」
「……これ!!」
スマホを突き出される。
「……。」
画面。
文字。
「……。」
自治体のホームページ。
「……。」
ちょっと失礼して、スクロール。
「……。」
下へ。
「……。」
固まる。
「……。」
一瞬。
「……。」
吹き出した。
「ぶっ——ははははははは!!」
「え!?」
「ひーはーーーははは!!」
止まらない。
「え、なになになになに、ちょうこわい。」
幽霊がなんか言ってるけども。
これはダメだ。
腹がちぎれるかもしれん。
いや、死ぬ?
たっぷり笑うこと2分。
「……ユウト、あんた。」
セイコが神妙そうに言う。
「……。」
「はぁ、はあ、お前なぁ。」
溜める。
「七不思議に認定されてる。」
「……は?」
「はぁ!?」
「……。」
「……見せろ!!」
「……。」
「俺にも見せろし!!」
「……。」
その瞬間。
「……。」
セイコのスマホが取られた。
ユウトに。
「……え?」
「……。」
「……。」
ユウト。
「……。」
普通に、
奪い取ってる。
「……。」
「……。」
「……。」
一瞬、
全員止まる。
「……。」
「……え。」
「……。」
「……今。」
「……。」
「……。」
「……触った?」
「……。」
「……。」
ユウト。
固まる。
「……。」
「……。」
震える。
「……。」
スマホ、
持ってる。
「……。」
「……。」
「……あ。」
小さく。
「……。」
「……読める。」
「……。」
画面。
スクロール。
「……。」
下へ。
読む。
「……。」
「……。」
「……。」
「……は?」
「……。」
「……なんで。」
「……。」
「……なんでええええええ!!!」
ホールに響く。
多分他の客には聞こえてない。
たぶん。




