138話 変な臭いのお化け
※ユウト視点
夜。
「……!」
追いかけてくる。
「……!」
速い。
「……いや無理無理無理!!」
後ろ。
「……!」
いる。
「……!」
来てる。
「……!」
口裂け女。
こわい。
「……!」
「……変な臭い。」
「……!」
うるせぇ!!
「……!」
「……臭い。」
「だから何なんだよ!!」
全力で逃げる。
でも。
「……!」
速い。
おかしいだろ。
「……!」
なんで幽霊追いかけてくんだよ!?
「……!」
しかも。
「……!」
正確にこっち見てる。
「……!」
「……!」
「……あーもう!!」
止まる。
振り返る。
「……!」
「……なんなんだよお前らよ!!」
「……!」
「クセェクセェって言いやがってよ!!」
「……!」
「しかもなんでそんな本気で追ってくんだよ!?」
「……!」
「意味分かんねぇんだけど!!」
「……!」
口裂け女。
止まる。
「……。」
じっと見る。
「……。」
笑う。
「……軽い。」
「……。」
は?
また?
「……。」
「……なのに。」
一歩、近づく。
「……。」
「……ぶれていない。」
「……。」
「……違う。私たちと。」
「……。」
「……臭いが、違う。」
「……。」
意味分かんねぇよ。
「……。」
でも。
「……。」
なんか。
「……。」
引っかかる。
「……。」
「……は?」
「……。」
「……何だよそれ。」
「……。」
口裂け女は、
それ以上何も言わない。
「……。」
ただ、
じっと見てる。
「……。」
その視線。
「……。」
さっきまでと違う。
「……。」
追うためじゃない。
「……。」
見るため。
「……。」
「……おまえは、自分で成ったのか。」
「……。」
なんだよ、それ。
「……。」
「……そこに、縛られているのか。」
「……。」
「……。」
「……あーもう!!」
背を向ける。
「……!」
また逃げる。
「……!」
「……知らねぇよそんなの!!」
「……!」
「……嗅がせろ!!」
「……嫌だよ!」
「……もっと見せろ!!」
逃げる。
考える。
逃げる。
「……!」
でも。
「……。」
頭の中。
さっきの言葉が、
残る。
「……。」
自分で成る。
そこに縛られている。
「……。」
「……。」
「……何だよ、それ。」
小さく呟く。
「……。」
もっと聞きたい、けど。
何かあいつ変態っぽくてやだ。
何だっけ、思い出せ、思い出せ。
「……そうだ!!」
俺は全力で叫んだ。
「ポマードポマードポマードオオオ!!!!」
「……!!!」
後ろから、気配が消えた。
だいぶ泣いた。




