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何もしてないのに、幽霊だけ勝手に成仏していくおじさん ~スロプーおじさんは除霊なんてしたくない~  作者: Samail
7章 おじさんと七不思議

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136話 『この町の七不思議 その5』口裂け女②

「……。」


振り返る。

見る。


「……。」


見ちゃった。


「……。」


口裂け女。


「……。」


背が高い。


白いワンピース。


髪。


長い。


顔。


「……。」


マスク。


でも。


「……。」


その奥。


「……。」


見えてる。

裂けてる。


口。


「……。」


横に。

ありえないくらい。


「……。」


「……。」


やばい。


「……。」


きさらぎ駅とは違う。


あっちは分からなかった。


これは、


分かる。


「……。」


“やばい”。


「……。」


震える。

止まらない。


「……。」


あー、死んだわ。これ。


「……。」


その時。


「……。」


口裂け女が、

止まる。


「……。」


「……?」


「……。」


動きが、

変わる。


「……。」


顔。

ゆっくり、

動く。


「……。」


キョロ、

キョロ、

と。


「……。」


「……。」


「……変な臭いが、する。」


「……。」


は?


「……。」


「……。」


視線が、

ズレる。


「……。」


俺たちじゃない。


「……。」


その先。


「……。」


「……。」


「……あ。」


「……。」


セイコさんが、小さく声を漏らす。


「……。」


その方向。


「……。」


おじさん。


「……。」


いつの間に。


「……。」


立ってる。

普通に。

煙草吸ってる。

プカプカと。


「……。」


口裂け女の顔が、

変わる。


「……。」


さっきより。

明らかに。


「……。」


やばい。


「……。」


「……。」


歪む。


「……。」


笑ってる?


「……。」


いや、

違う。


「……。」


あれは、

笑いじゃない。


「……。」


「……。」


「……。」


次の瞬間。


「……!」


走った。


「……!?」


速い。


「……!?」


おじさんの方へ。


「……!?」


「……!」


「……カメラ!」


キクエ。


「カメラ回してください!」


「今!?」


「はい!」


「……!」


構える。


「……!」


ブレる。

手が震える。


「……!」


でも、見る。


「……!」


口裂け女。

一直線。


「……!」


おじさん。

動かない。


「……!?」


え、

逃げろよ!?


「……!」


そのまま。


「……!」


横を。


「……!?」


通り抜けた。


「……。」


え?


「……。」


そして、

走り去る。


「……。」


消えた。


「……。」


あれ?何だ?

すごい既視感。


「……。」


「……。」


「……何だ、あれ。」


思わず漏れる。


「……。」


おじさん。

普通に立ってる。

煙草、プカプカ。


「……。」


「……。」


「……。」


さっきの、

全部。


「……。」


何だったんだよ。


「……。」


その時。


「……。」


キクエが言う。


「……撮影できていますか?」


「……たぶん?」


「記録は重要です。」


「……。」


いやもういいよ。

なんでもいいよ。


「……。」


ふと思い出す。


「……なあ。」


「……。」


「……ぽまーどって何?」


「……。」


キクエが少しだけ考える。


「……後で説明します。」


「今しろよ。」


「……。」


夕方。


風が吹いた。


早く風呂入って寝よう。

そうしよう。

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