136話 『この町の七不思議 その5』口裂け女②
「……。」
振り返る。
見る。
「……。」
見ちゃった。
「……。」
口裂け女。
「……。」
背が高い。
白いワンピース。
髪。
長い。
顔。
「……。」
マスク。
でも。
「……。」
その奥。
「……。」
見えてる。
裂けてる。
口。
「……。」
横に。
ありえないくらい。
「……。」
「……。」
やばい。
「……。」
きさらぎ駅とは違う。
あっちは分からなかった。
これは、
分かる。
「……。」
“やばい”。
「……。」
震える。
止まらない。
「……。」
あー、死んだわ。これ。
「……。」
その時。
「……。」
口裂け女が、
止まる。
「……。」
「……?」
「……。」
動きが、
変わる。
「……。」
顔。
ゆっくり、
動く。
「……。」
キョロ、
キョロ、
と。
「……。」
「……。」
「……変な臭いが、する。」
「……。」
は?
「……。」
「……。」
視線が、
ズレる。
「……。」
俺たちじゃない。
「……。」
その先。
「……。」
「……。」
「……あ。」
「……。」
セイコさんが、小さく声を漏らす。
「……。」
その方向。
「……。」
おじさん。
「……。」
いつの間に。
「……。」
立ってる。
普通に。
煙草吸ってる。
プカプカと。
「……。」
口裂け女の顔が、
変わる。
「……。」
さっきより。
明らかに。
「……。」
やばい。
「……。」
「……。」
歪む。
「……。」
笑ってる?
「……。」
いや、
違う。
「……。」
あれは、
笑いじゃない。
「……。」
「……。」
「……。」
次の瞬間。
「……!」
走った。
「……!?」
速い。
「……!?」
おじさんの方へ。
「……!?」
「……!」
「……カメラ!」
キクエ。
「カメラ回してください!」
「今!?」
「はい!」
「……!」
構える。
「……!」
ブレる。
手が震える。
「……!」
でも、見る。
「……!」
口裂け女。
一直線。
「……!」
おじさん。
動かない。
「……!?」
え、
逃げろよ!?
「……!」
そのまま。
「……!」
横を。
「……!?」
通り抜けた。
「……。」
え?
「……。」
そして、
走り去る。
「……。」
消えた。
「……。」
あれ?何だ?
すごい既視感。
「……。」
「……。」
「……何だ、あれ。」
思わず漏れる。
「……。」
おじさん。
普通に立ってる。
煙草、プカプカ。
「……。」
「……。」
「……。」
さっきの、
全部。
「……。」
何だったんだよ。
「……。」
その時。
「……。」
キクエが言う。
「……撮影できていますか?」
「……たぶん?」
「記録は重要です。」
「……。」
いやもういいよ。
なんでもいいよ。
「……。」
ふと思い出す。
「……なあ。」
「……。」
「……ぽまーどって何?」
「……。」
キクエが少しだけ考える。
「……後で説明します。」
「今しろよ。」
「……。」
夕方。
風が吹いた。
早く風呂入って寝よう。
そうしよう。




