129話 『この町の七不思議 その4』電車
「……。」
電車の中。
静か。
「……。」
「……。」
「……なんかさ。」
小さく言う。
「人、少なくない?」
「そうかもね。」
セイコさん。
普通。
「終電なのにね。」
「……。」
終電なんか乗らないから、わからん。
「……。」
周りを見る。
数人。
みんな、下を向いてる。
「……。」
顔は見えない。
「……。」
「……。」
キクエはノートを開いている。
「まだ記録?」
「次の不思議の確認です。」
「……今?」
「はい。」
「……。」
真面目すぎるだろ。
「……。」
ガタン。
揺れる。
「……。」
外。
暗い。
トンネル。
「……。」
ガタン。
ガタン。
「……。」
電気が、また揺れた。
「……。」
「……。」
「……ねえ。」
「何?」
セイコさん。
「……さっきから、ちょっとおかしくない?」
「……。」
少しだけ、間。
「……。」
「そうだね。」
軽い。
「……。」
「はい。」
なにか差し出される。
「……?」
見る。
飴。
「……何これ。」
「さっき買ったやつ。」
「いや知ってるけど。」
「ほら、キクエちゃんも!」
「ありがとうございます。」
キクエはノータイムで口に入れる。
「甘い。」
……そうだろうよ。
「……。」
俺も口に放り込む。
「……。」
甘い。
「……。」
普通に美味い。
「……。」
セイコさんも、自分で一つ食べてる。
「……。」
「……。」
ガタン。
「……。」
キクエはノートに何か書いている。
「……。」
電車が、減速する。
「……?」
止まるのか?
「……。」
窓の外。
暗い。
「……。」
駅?
「……。」
見えない。
「……。」
その時。
「……。」
車内アナウンス。
「――次は、きさらぎ。」
「……。」
「終点、きさらぎ。」
「……。」
「……ねぇ。」
小さく言う。
「……今の、何?」
「……。」
誰も答えない。
「……。」
知らない駅。
聞いたこともない。
「……きさらぎ駅。」
キクエがボソッと呟いた。
電車が、止まる。
「……。」
ドア。
開く。
プシュー。
「……。」
外。
暗い。
ホーム。
誰もいない。
「……。」
「……。」
なんとなく。
「……。」
降りないといけない気がした。
「……。」
足を踏み出す。
「……。」
空気が違う気がする。
何て言うか、重い?
粘着質?
「……。」
振り返る。
電車。
「……。」
ドアが閉まる。
「……。」
動く。
「……。」
そのまま。
「……。」
行った。
「……。」
残ったのは、
「……。」
俺たちだけ。
「……。」
静か。
「……。」
「……。」
え、どこ?ここ。




