114.5話 幕間のお化け⑥
ここには、
変わらないものと、
増えたものと、
最初から混ざっていたものがある。
例えば——
おじさん。
生きている。
やる気はない。
相変わらず、関わらない。
それでも——
気づけば、中心にいる。
終わらせない。
導かない。
ただ、そこにいるだけで、
勝手に終わる。
本人は、たぶん分かっていない。
ユウト。
もう、生きていない。
どこにも行かないと決めている。
未練ではない。
執着でもない。
ただ、隣にいる。
軽い。
でも、消えない。
ズレていない。
それでも——
出来上がってもいない。
セイコ。
生きている。
見えるようで、見えない。
でも——
前より、確実に近い。
輪郭ではなく、位置。
形ではなく、存在。
音ではなく、声。
拾えるようになっている。
まだ、途中。
そして。
増えたもの。
サクラ。
生きている。
見える。
触れる。
分けられる。
ズレを、わかっている。
直すこともできる。
でも——
それを、しないこともある。
理由は、単純。
興味。
決めるのが早い。
迷わない。
止まらない。
危険よりも、面白さ。
だから——
ここにいる。
違いがある。
おじさんは、
そのまま。
満たせば、終わる。
関われば、消える。
それだけ。
サクラは、
動かす。
ズレを見て、直す。
終わらせる。
どちらも同じこと。
なのに。
そして。
ここには
普通のものと
普通ではないものと
そのどちらでもないものが
混ざっている。
増えた。
でも——
崩れていない。
理由はたぶん。
誰も、縛らないから。
選ぶだけ。
残るか。
消えるか。
いるか。
それだけ。
だから——
ここでは、
終わらないものも終わる。
終わるはずのものも残る。
そして。
名前のないものが、
ひとつ増えた。
それを、どう呼ぶかは。
まだ、決まっていない。




