113話 忍び寄るお化け
※おじさん視点
昼。
いつものホール。
いつもの匂い。
いつものBGM。
「……。」
レバーオン。
リールが回転する。
止める。
外れる。
「……。」
もう一回。
レバーオン。
「……なあ。」
ユウト。
「……なんだ。」
「なんかさ。」
少しだけ、間。
「……とても、嫌な、予感が。」
「……。」
止める。
外れ。
「ん?」
「……。」
答えない。
「……。」
その時。
「きた。」
後ろ。
「……。」
振り向く。
「……。」
サクラ。
「……え?」
セイコ、固まる。
「やっほー。」
それだけ。
「……。」
「……なんでいるの?」
「引っ越した。」
「引っ越したの!?」
「そう。」
「え、え?」
「……。」
そのまま、横。
空いてる席に座る。
「……。」
自然。
「……。」
「いやちょっと待って!?」
セイコ。
「……なんで?」
「なんでって、逆に何で!?」
「……。」
レバーオン。
回る。
止める。
外れ。
「やっほー。」
軽い。
「……おう。」
「来た。」
サクラ。
それだけ。
「いや軽くない!?」
セイコ。
「……。」
横。
ユウトがぼそっと。
「……これか、嫌な予感。」
「……そうかもな。」
セイコはパニックだ。
「……。」
レバーオン。
リールが回転する。
「……なんだ、これ。」
ユウト。
「俺に聞くな。」
「そうなんだけどさ。」
「……。」
少しだけ、間。
「……いる。」
サクラが言う。
「なにが?」
セイコ。
「そこ。」
島と島の通路。
「……。」
いるな。
「普通のやつ。」
「……。」
「どうする?」
軽い。
「え?」
セイコ。
「処理する?」
「……いや、大丈夫だ。」
「……。」
サクラ、見る。
「なんで?」
「……なにもしてないからな。」
「……。」
「満足したら帰るだろ。」
「……。」
少しだけ、間。
「……あー、そういう……。」
「……。」
「……。」
サクラ、少しだけ考える。
「……ふーん。」
それだけ。
視線を戻す。
レバーオン。
回る。
止める。
ーーー当たり。
「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
「「「「うるさいよ。」」」」
ハモんな。
「ごめんねぇえええええ!!!でもやっぱり当たった時だよねぇえええええええ!!!」
上。
うるさいやつ。
「……。」
サクラ、見上げる。
「……。」
少しだけ。
手が動く。
「やめとけ。」
「……。」
止まる。
「なんで?」
「……キリがない。」
「……。」
少しだけ、間。
「……そう。」
手を下ろす。
「……。」
ユウトが小さく言う。
「……今、消されかけたよな。」
「……。」
「怖。」
「……。」
セイコ。
「……ねえ。」
「なに。」
「何をしようとしたの?」
「……処理。」
「……え?」
「このおじさんに、止められたけど。」
レバーオン。
回る。
止める。
外れ。
「……なんで?」
セイコ。
「なんでおじさんは止めたの?」
「……。」
「……さあな。」
サクラ。
「ウチはどっちでもいい。」
「消えてもいいし。」
「残ってもいい。」
「……。」
それだけ。
「……。」
静か。
「……。」
ユウトがぼそっと。
「……なんかさ。」
「……。」
「俺の居場所、ちょっと狭くなってない?」
君場所とらないじゃん。
上でも下でも自由じゃん。
「あれー?おかしいなー。」
ユウトは首を傾ける。
「……。」
レバーオン。
回る。
止める。
ーーー当たり。
「ぎゃあああああああああああ!!!」
「「「「うるさいよ。」」」」
「すみません!!!!!!」
「……。」
いつも通り。
ただ。
「……。」
なんか増えた。




