110話 増えていくお化け
昼。
いつものホール。
いつもの匂い。
いつものBGM。
「……。」
レバーオン。
リールが回転する。
止める。
外れる。
「……。」
「やっほおおおおおおおおお!!!」
「……。」
上。
いる。
「……おまえ、まだいたの?」
「いるよ!!!」
「……そうか。」
「最近さ!!!」
「……。」
「違う楽しみ見つけてさ!!!」
「……そうか。」
レバーオン。
回る。
「ここで叫ぶのもいいけどさ!!!」
「……。」
「やっぱ当たった時が一番楽しいよな!!!」
「……。」
止める。
外れる。
「……大変だな。」
「そうなんだよ!!!」
「……。」
その時。
「今週空けといてって言ったじゃん!!」
セイコ。
「……忙しいと言ったが?」
そのまま、横。
「連れてきたよ!!」
「……。」
視線。
一人。
後ろにいる。
「……。」
どこかで見たような。
「……。」
「ひさしぶり。」
小さく。
「……。」
「……。」
じっと見てる。
俺を。
ユウトを。
上のやつを。
「……。」
「……あいかわらず、不思議。」
それだけ。
「……。」
「……おう。」
「サクラさん!!」
「……おう。」
「ホントに思い出してる?」
ユウト苦笑い。
「……。」
「じゃあカフェでも行こうか!」
「いかん。」
「なんで!?」
「俺は、打ちたいんだ。」
「は!?」
「いいよ。」
サクラ。
「……。」
「私も打てる。」
「え?」
「サイ兄の横で、たまに遊ぶから。」
「……。」
そうか。
サイ兄とやらは存ぜぬが。
「……。」
「じゃ、座るね。」
当たり前みたいに。
席に座る。
「……。」
三人。
並ぶ。
「……。」
レバーオン。
回る。
後ろ。
「……なにこれ。」
ユウト。
「知らん。」
「……なんか増えたんだけど。」
「そうだな。」
「……。」
上。
「いいな!!!人が増えて!!!!!」
「……。」
「うるさいのもいるし。」
「いるな。」
「……。」
しばらく。
サクラ。
静かにレバーを叩く。
回る。
止める。
ーーー当たり。
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!」
「!!」
サクラ。
目を見開き固まる。
「うるさいよ。」
「ごめんねぇ!!でもやっぱり!!当たった時だよね!!!祝砲みたいなもんだよ!!!!!レバーオンだと忙しいからなぁあ!!!!!」
「……なるほど。」
サクラよからぬ気配。
「ああ!!あっちの島!!!激アツチャンスゾーン!!!」
うるさいお化けはそのままそっちへ飛んでいく。
サクラ。
ゆっくりとこっちを見る。
ギギギと。
「……。」
視線。
おじさん。
「……なんで、あれ、置いとくの。」
「……。」
「処理、しない意味、ある?」
「……。」
レバーオン。
回る。
「満足したら帰るだろ。」
「……。」
サクラ。
少しだけ考える。
「……そういう、もの?」
それだけ。
「……。」
また、前を見る。
「……。」
回る。
止める。
当たる。
外れる。
「……。」
いつも通り。
「……。」
横。
セイコは楽しそうにしてる。
ユウトはなんか震えている。
さっきのサクラが恐かったのか?
「……。」
一人増えた。
「……。」
まあ。
「……。」
別に。
「……。」
問題ないか。
レバーを叩く。
回る。
止める。
ーーー当たり。
「ぎゃああああああああああ!!!」
……やっぱり処理するか?




