104話 魔界のお化け
昼。
いつもと違うホール。
いつもと違う匂い。
いつもと違うBGM。
お気に入りの台はなかった。
とりあえず無難な台。
サンドに1000円札を入れる。
メダルを入れる。
久しぶりレバーに気合いを入れる。
レバーオン。
リールが回転する。
止める。
外れる。
ああ、これこれ。
沁みる。
「……ねえ。」
横から声。
セイコ。
「……。」
「明日、お葬式でしょ?」
「……そうだな。」
レバーオン。
リールが回転する。
「いや来る!?」
横でユウト。
「普通来る!?前日に!?」
「……。」
止める。
外れ。
「……限界だった。」
「我慢しようよ!?」
まあ、そうだろうな。
ーーーーーーーーーー
朝。
「……。」
家。
人。
出入り。
「それ、こっちに置いて。」
「はい。」
「もう少し詰めて。」
声。
足音。
「……。」
居間。
「……。」
居心地、悪い。
「……。」
立つ。
「……。」
廊下。
「……。」
すれ違う。
トメさん。
「おはようございます。」
「……おはようございます。」
「……ちょっと出てきますね。」
「そうですか。」
それだけ。
止めない。
「……。」
靴。
「……。」
外。
「……。」
空気。
「どこ行くんだよ!?」
「私も行く!!」
ウチの関係者のおもちゃ達が来た。
「こんな魔界に置いてくな!!」
「質問責めがちょっと辛いの!」
仲良いね、君たち。
「それで?どこいくの?」
決まってる。
~2時間後~
パチンコホール「魔界」
「こっちが魔界だった!?!?」
「ホールっておじさん何考えてるの!?」
ーーーーーーーー
現在。
レバーオン。
リールが回転する。
止める。
外れる。
「……。」
もう一回。
レバーオン。
リールが回転する。
「ねえ。」
セイコ。
「……なんだ。」
「ほんとに、大丈夫なの?」
「……。」
止める。
「……。」
外れる。
「……。」
「俺がいなくても世界は回る。」
「は?」
「ただこれは。」
レバーオン。
リールが回転する。
「自分で回すもんだ。」
セイコ、引いてる。
「何言ってんの。」
ユウトも。
「馬鹿じゃないの。」
「うるさいよ。」
もう一度。
レバーオン。
リールが回転する。
回転する。




