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修復ギフト持ちの貴族の息子でしたが追放されました  作者: ヒコしろう


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第166話 当然の酬い

今思えばベルがアグノーティス伯爵を引きずって登場した瞬間にこの大騒ぎにほぼほぼ決着がついた様に思える。


ベルと二人で抵抗する素振りもなくなった騎士達をロープで縛り、とりあえずニルバ王国からの国賓扱いの僕やベルに危害を加え、何かしらの要求をしようと企んでいた件を視察団のメンバーにも知って欲しいのであるが、僕がマジックバッグからゴーレムを取り出してこのようにガッチャンガッチャンと大きな音を発てていたのにもかかわらず誰一人この騒動の現場に視察団のメンバーが現れていないのである。


それは何故かというと、視察団のメンバーは夕食の際に朝までグッスリ眠る程度の遅効性の睡眠薬を盛られていたかららしく、お怒りモードのベルから教育的指導を受け既にパンパンに腫れ上がった顔のアグノーティス伯爵に僕は、


「なんでそんなことしたの…」


と問いただしてみたのだが、彼は睡眠薬の話の告白あたりで、痛みから意識が薄れてもう喋れる状態ではなく、代わりに部下っぽいオッサンが洗いざらい白状してくれたのであった。


それから麻痺毒でフニャフニャなゲス女とサンドバッグとなり気絶寸前なアグノーティス伯爵には、


「皆さ~ん、動くとコイツ等の命は無いですからね…」


と騎士達が抵抗しない様に暫く人質として頑張っていただいている間に、ベルに、


「中の部屋で一人怪我してるから拘束してから連れてきてくれる? 治療が必要だろうから…その後でソルドナット様を起こすのお願い出来るかな…睡眠薬なら解毒ポーションで治るから…」


とお願いすると、ベルは


「了解!」


と言って僕の居た部屋に入ったのであるが、ベルはすぐに部屋から飛び出してきて、


「お兄ちゃん、やり過ぎだよ!」


と、慌てているのである。


仕方なく僕も部屋に向かうと、どうやら廊下に逃げ出す時に僕が腹を刺した騎士の男性が虫の息だったらしく、ベルに人質の番を代わってもらい、僕は彼の治療を開始したのであるが、治癒魔法が放てるマジックアイテムの杖を使っていては間に合わない程の出血であり一刻を争う状況に、


「ベル、もしもの時用のエクストラポーションを使って良いか?」


と廊下にてほぼ意識がないアグノーティス伯爵の胸ぐらを掴みながら騎士達に向けて、


『動いたらコイツを殴ります』


という圧をかけているベルに相談すると、


「騎士の人は自分の仕事をしただけかも知れないから、死んじゃったら可哀想だよ…」


とエクストラポーションの共同所有者からも許可が出たので僕は彼の本格的な治療を開始したのであるが、どうやらこのやり取りで、ベルの騎士達に対しての心遣いや、普通では中々手に入らないエクストラポーションを惜し気もなく使って仲間を助けてくれたという事実がアグノーティス騎士の方々の心を動かしたらしく、僕が彼の治療が終わった後で廊下に戻ると、


「我々はもう抵抗いたしませんので…」


と、やたら静かになっている騎士の方々と、麻痺毒が少し切れたのか騒いだらしいゲス女がベルのパンチを食らい物理的に静かにされていたのであった。


その後、ソルドナット伯爵様達を解毒して経緯を説明し終わる頃には朝となり、現在アグノーティス伯爵家のメンバーは屋敷の中庭に集められて、


「やってくれたな…」


と、睡眠薬を盛られて護衛騎士団としてニルバ王国から同行していたのに、いざという時にまるで出番が無く完全に面子を潰される事となったゴーレム騎士団の精鋭達が愛機に搭乗して睨みを利かせている中で、今回の件だけではなく冥土の土産的にゲス女の口から明かされた暗殺の件やら、改心したアグノーティス騎士の方々からの告白により、次から次へとアグノーティス伯爵の罪が明るみに出て、それを一緒に旅をしてきた念話師の女性がリント王国の王都に報告するとリント王国は大騒ぎとなったのであった。


それもその筈で、リント王国が必死に探したというウチのクソ親父を操り悪事をやらせていた黒幕というのが、先代のアグノーティス伯爵であった事も初耳だった上に、その組織を現在引き継いだのが兄弟の暗殺などで実権を握った現アグノーティス伯爵という真実…つまりリント王国に巣くう悪の組織の頭を押さえる事が出来たのだ。


いつもの様に尻尾を切って逃げる事が出来ない組織の重要人物達はリーダーが捕まった事も知らずに御用となったり、勘の良い者は逃亡を企てたらしいが、今まで散々コケにされて来たリント王家が黙っている訳もなく、国境から国内の領地間の行き来を数日に渡り禁止し、


【エルフ族に近い我々こそがこの国の主】


という理念の闇の組織をリント王国は国をあげて一網打尽にしたのでる。


その数日間は僕たちもアグノーティス伯爵領のこのお屋敷に足止めとなったのであるが、そのお陰でアグノーティス伯爵が法の目を掻い潜る為の道具として第一夫人に迎えたという法務大臣の娘であるモリーゼ様とやらの存在を知り、屋敷の一室にて薬物により弱った状態だが無事に保護する事が出来た。


彼女は可哀想に顔だけは男前なアグノーティス伯爵にメロメロとなり伯爵から組織を守る為だけに良いように使われ、組織や自分の身が大丈夫となればお屋敷にて飼い殺しの生活に…そして、ゲス女が新しく妻に加わるとゲス女の策略で死なない程度の毒をコッソリ盛られ続けて妻としての発言件まで取り上げられ、自室にて寝たきり生活をしていたらしく、


『なんか、母がスミマセン…』


という申し訳ない気持ちから毒消しポーションや何年も毒に対抗しようとしてボロボロになっているであろう彼女の内臓を回復させる為に手持ちの最後のエクストラポーションを使わせていただいたのである。


アグノーティス伯爵家の悪事が白日のもとに晒されて、他国にまで自国の恥を晒した事になったリント王家や、可愛い娘にこんな事をしたと分かったリント王国の法務大臣がどの様な厳しい沙汰を下すかはしらないが、僕たちとしては、


『これは視察とか言ってられないな…』


という事で、当面忙しいそうなリント王国から一旦ニルバ王国へと帰る事に決まったのであった。


帰りの道中で僕はソルドナット伯爵様に、


「この旅って何も成果が無かったですね…」


と愚痴を溢したのであるが、ソルドナット伯爵様は笑いながら、


「なになに、リント王国に嫌気がさした念話師を一名我が国に正式に引き抜けたし、代わりの念話師も連れてこれ、しかもリント王国にデカい貸しも作れた…これは外交として最高の成果だ!」


と言っていたが、すぐに申し訳なさそうな顔になり、


「しかし、ジョン殿としては母親を…」


とポツリと呟くので僕は、


「その点は気にしないで下さい…前の組織の長である先代のアグノーティス伯爵にクソ親父を引き込む為の餌にされたのは多少気の毒には思いますが、その仕返しに先代のアグノーティス伯爵を毒殺しただけでなくて、色々と調子に乗ってやらかしていたみたいですから…」


と、多分極刑になるであろう母の件については、


「当然の酬い…」


と割りきる事に決めたのである。



読んでいただき有り難うございます。


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