表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
修復ギフト持ちの貴族の息子でしたが追放されました  作者: ヒコしろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/169

第119話 お金の話

「ふぅ~、なかなかハードな交渉だった…」


と僕はテイカーさんと、カサール子爵様親子が帰った後の我が家にてホッコリとお茶を飲んでいる。


流れとしては、ウチの商会で来月から本格的に生産を開始する男性ターゲットの黒石鹸を購入して欲しいとの希望が騎士団達から上がり、クリスト様が、


「ゴーレムや魔道具など驚く様な発明ではなくて、今度ジョン君が作ったのは石鹸ですか…」


などとお屋敷で話題にしたそうで、びっくりアイテムではなく生活雑貨である石鹸の生産を開始する事についてクリスト様は、なんだか期待はずれだったようで少々残念そうに語るのを聞いたカサール子爵様が、


「なになに、石鹸と侮るでない…その石鹸とやらが凄いらしく、エルバート殿から汗の臭いなどに効く消臭エキスの調合を監修してもらい、エルバート殿の鑑定ギフトでも【消臭効果あり】と判定がでた石鹸で、試作品を使ってから練習用のゴーレムのコックピットに臭いが籠らなくなったと評判でな…冒険者宿などにも試作品を置いているそうで、冒険者ギルドでも販売を待ちわびる声が上がっているそうだぞ」


などと、親子で話していた時に、


「なんにせよカサール領内にて良い製品が出来るのは我が家にとっても喜ばしい事で…ジョン君の商会にはジャンジャン稼いでもらえれば我が家も…」


という話題になったクリスト様に凄く気まずそうにカサール子爵様が、


「あぁ、それなんじゃが…」


と、税金免除という約束を正式にしてしまった事を白状し、クリスト様にガン詰めされた後に我が家を訪ねて来たという流れである。


クリスト様としては、


「契約書があるのは知っているが、せめて数年…いや父上の代の間だけとかにしてくれないだろうか…」


と期限をもうけたいとのお願いであるが、僕とテイカーさんの意見は既に決まっており、


「新町の方々の生活を安定させる為の事業という側面があり、カサール子爵様からも了解を得ておりますので…」


とそのお願いをつっぱねて、やりたい放題の権利は手放すつもりは無いのである。


しかし、カサール子爵様はそこら辺をあまり気にして居なかったのだが、クリスト様が云うには、


「ジョン君に恩を感じているので、こんな事を頼むのは気が引けるが、カサール子爵領はただでさえ戦地であった村や町だけで構成された領地を賜り財政が…ゴーレムの件や魔力供給魔道具などで国からの助成金や報償金でなんとかやりくりしているが、領内で収入が見込める新型ゴーレム工場も生産のための金属などの材料代もかさみ、販売して稼ぐにも…」


と、カサール子爵領のかなりカツカツな財政を教えてくれたのである。


そこまで言われてしまうと貧乏貴族の辛さも分かる僕は心が揺れたが、しかし、


『せっかくもぎ取った免税を手放すのは…』 


と、僕は心を鬼にしクリスト様に「ノー」をつきつける。


するとクリスト様は僕たちから裏切られた様にガックリと肩を落とし、カサール子爵様は自分が結んだ契約にオロオロし始めるのであった。


まぁ、このままカサール子爵様親子を追い返すのは流石に可哀想すぎるので、


「カサール子爵家にお金が入ればいいんですよね」


とテイカーさんと僕は知恵を捻り出した結果、カサール子爵家としての強みを生かしてお金を稼ぐ提案をしてみたのであった。


まず、カサール子爵家にある強みは、


【ゴーレムフレームの製造が出来る鍛冶師や錬金術師を抱えているのは勿論、ゴーレムコアの設定まで行えるゴーレムマスターのクリスト様が居る】


という点と、


【ゴーレム乗りを育成した経験がある】


という他の町にはあまり無いノウハウがあり、そして、


【ゼルエルガさんというニルバ王国最高の土魔法師さんが居てくれ、彼女のお弟子さんなどニルバ王国の魔法師にも顔が利く】


というアドバンテージを使わない手はない…それらの事柄を総合した結果、僕が導き出した答えは、


「よし、クリスト様とゼルエルガさんで商会を立ち上げてもらいましょう」


という提案であった。


クリスト様もだが、カサール子爵様も、


「なんで?」


と不思議そうにしていたのであるが、僕が、


「ほら、新町やマーク村の壁…アレをクリスト様とゼルエルガさんの商会で請け負って、壁作りに特化した建設ゴーレムと訓練された乗り手と、ゼルエルガさんのお弟子さんや知り合いの土魔法師さんを魔力供給魔道具を装備して職人として派遣すれば…」


と言った所でテイカーさんはピンと来たらしく、


「国家錬金術師であるエルバート様とライト様のお力もお借り出来れば壁の硬化コーティング液剤の生産だけで駆け出し錬金術師の生活も…学校が出来て錬金術師を目指す者も増えますでしょうし…」


と、カサール領内の未来の光を感じたらしいが、肝心のカサール子爵様親子だけは「?」といった顔でこちらを見ているのである。


なので僕は、まだピンと来ていない二人に、


「だから、壁や魔物避けの掘り、それに生活水路など大型工事を請け負うゴーレム乗りと魔法ギフト持ちを派遣する商会を作って、国や金持ち貴族の領地なんかからお金を引っ張ってくるんですよ」


というと、二人は、


「いや、そんな事…」


と言っていたが、実際に国王陛下が僕への褒美としてゼルエルガさんを石壁作りの為に派遣して下さった程に、壁作りは必要とされており、少し前まではゼルエルガさんぐらいしかストーンウォールの魔法を連発できなかったが、魔力供給魔道具さえあれば魔道具無しのゼルエルガさんぐらいの魔力量で魔法を連発出来る使い手も居るはずである。


「そんな魔法ギフト持ちが居なければゼルエルガさんとクリスト様を婚前旅行か新婚旅行代わりで現場に行って貰えれば、ゼルエルガさんが壁を作ってクリスト様は乗るタイプでない普通のゴーレムでも工事が出来るから…」


とダメ押しをすると、ようやくカサール子爵様親子もピンと来たらしく、カサール子爵様は、


「そうか、その為にジョン君はビスティア地方に…コーチャー王国はスタンピードに困っており、ニルバ王国の新型ゴーレムの力を知り自ら属国になったらしく、国王陛下からカサールにてコーチャー王国のスタンピード対策に旧型のパンチャーゴーレムを贈るという相談があったが、軍務方からストップがかかったそうでな…」


と、僕の知らない話をはじめ、クリスト様も、


「そうか壁ならばスタンピード対策にもなるし、陛下のコーチャー王への顔も潰さずに…流石ジョン君!」


と褒めてくれたのであるが、僕としては、


『えっ、そこまでは考えてなかったけど…まぁ、これで税金免除の話題は有耶無耶になったな…』


と考え、このまま話を進めたのであるが、結果として新町の壁作りにも参加した大工さんなど、最近カサールに来た外部からの大商会の方々が店を建てる為に連れてきた大工さん達が幅を利かせている為に仕事が無くなった方々をクリスト様の建設会社の職員として建設用のゴーレムの訓練をはじめるそうで、軍事用のゴーレムを作っている工場では追加で建設用のゴーレムが作れない為に、バラッドさんに急ぎの依頼がカサール子爵家から入り、


「お金が無いのに…」


と心配する僕に、既に未来の稼ぐビジョンが見えているのかクリスト様は、


「大丈夫、すぐに投資した分は取り戻せる…とりあえず頑丈なゴーレムを頼むよ肩にカサール子爵家の紋章や【カサール建設】とか書けば宣伝にもなる」


とやる気になっており、


「そうなればゼルエルガさんと相談しないと!」


とクリスト様はカサール子爵様を連れて屋敷へと帰って行かれたのであった。


そして僕は、静かになった居間でテイカーさんに、


「クリスト様の建設ゴーレム用に在庫のゴーレムコアを何個か届けてあげて…あと、新作の石鹸の名前とかカサール子爵領の宣伝になる様にカサール石鹸とかにしない?」


と提案するとテイカーさんは、


「商品としての魅力は十分ですので名前は如何様にでも…しかし旦那様、税金の件が有耶無耶になって助かりましたね…ウチのジョン商会もゴーレムコアなどの販売価格が下がりまして…すぐにどうこうは成りませんが、将来的には…」


と、最近敷地に建物をバンバン建てたりしたので微妙に資金が寂しくなったそうで、


「魔力供給魔道具が売れるとゴーレムコアが修復出来る修復師が増えるからな…仕方ない…」


と、僕はゴーレムコアバブルの終わりを感じていたのであった。



読んでいただき有り難うございます。


よろしけれはブックマークをポチりとして頂けたり〈評価〉や〈感想〉なんかをして頂けると嬉しいです。


頑張って書きますので応援よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ