第6話 登校初日
「おっはよー!」
今日は登校初日。ララちゃんと同じクラスだから、一緒に登校しようねって話になった。昨日も今日も明るいララちゃんに、不安だった私の心も明るく晴れていく。
「ララちゃんと一緒のクラスなのすっごく心強い!」
「そういってもらえて、うちも嬉しいわぁ」
満面の笑みで頷いてくれるララちゃんに私も気分が明るくなる。楽しみだ、素直にそう思えた。
「じゃあうちの席あっちだから、またあとでね!」
ララちゃんと別れて自分の席に座る。隣にはクールそうな紫髪の男の子が座っていた。
「はじめまして、私アイリス。これからよろしくね」
私のことを気にかけてくれているように見えたから、こそっと声をかける。
なんだか悲しそうに顔を歪める彼に、少し申し訳なく思う。何かつらいことがあったのかな。
「クロノ…です。呼び捨てで、いい。って言うか呼び捨てにしてほしい…」
静かな声で私の自己紹介に応えてくれる。すごく苦しそうなのに、人を気遣える彼は優しい、けど悲しくなってくる。
寂しそうで、でも嬉しそうな顔をする理由は分からない。けど、なんだか胸がひどく痛むような気がした。
「わかった。クロノって呼ぶね。私の事もアイリスって呼び捨てにしてくれて大丈夫だよ」
そんな心に蓋をして、何も気づいていないふりをして。笑ってクロノに話しかける。
「私転入してきたばかりで、あまり学園の事詳しくないんだ」
よかったら、色々教えてね。そう続けると、みるみるクロノの目から涙があふれてきて。その事実も見ないふりをした。
「あとね、まだ教科書受け取りに行けてなくて…よかったら見せてくれない?」
何があったのかは分からないけど、側にいてあげたいってそう思ったから。
「あぁ、もちろんだ」
静かに笑うクロノは、ほんの少し嬉しそうに見えた。




