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虹の乙女アイリスの 愛しい日々  作者: 紫悠
第一章 新生活と出会い
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第16話 かっこいい



「一昨日は、ごめん」


今は体育の授業中で、私とクロノは同じグループだった。最初は真面目に話を聞いていたけど、時々私の方を何か言いたげに見ているようだったから、その事だったのか、と納得する。


「黙ってて、くれたんだって。俺も先生に聞かれたから…」

クロノは放課後サイラス先生に呼び出されて事情を聞かれていたらしい。その時私が何も伝えていないことを知って、こんなに気にしてくれているみたいだった。

「ううん。私の方こそ助けてもらったのにちゃんとお礼言えてなかったね。」

私は助けてもらったほうなんだから、むしろクロノは誇ったっていいと思う。けれどそれが難しいのはなんとなく分かるから。


「助けてくれてありがとう」


と一番大切なことだけ伝えて体力測定に戻る。1日空けたからか先週よりもクロノは落ち着いた顔をしていて、目の下にあった隈も薄くなっていた。




「いけっ!いけるぞっ!頑張れ!」


体力測定が終わって、余った時間は自由時間となった。と同時に、男子生徒たちが体育の先生を相手に剣で挑み始める。昔騎士をやっていた、と言うケイレブ先生は男の子たちのちょっとしたあこがれらしい。先生に挑む生徒たちは周りから野次を飛ばされながらも必死に頑張っていた。


「すごいね」


隣で座っているクロノに話しかけるけど、反応は返ってこない。どうしたのかな、と思って横を見たら、クロノはすごく真剣な顔をしていた。

全てを吸収する勢いで模擬戦を見るクロノは、他の男の子にもれず、騎士に憧れてるんだと思う。

無理に話しかけるのも悪いなと思ってそっと離れてララちゃん達のもとへ行く。

「ララちゃん!」

女の子は女の子で固まってララちゃんの空手を見学していた。ララちゃんはお父さんの影響で"空手"をやっていたらしい。いつもはかわいいララちゃんが、とてもカッコよく見えて。いつかララちゃんみたいにカッコよくなりたいな、と漠然と思った。


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