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第10.5話 クロノの視点
嫌だ、嫌だ!
人の流れに逆らって走る。走る。
「はぁっ、はぁっ!」
息が苦しい。早く、早く、1秒でも早く彼女のもとへ
あぁ、なぜ体育を怠ってしまったのか。今ばかりは過去の自分を呪いたくなる。
「クソっ!」
彼女はきっとまだみんなを守るために中にいる。こんな状況なんだから、早く逃げていてほしいとも思う。けど、守られるより、守ってしまうのは彼女の性であり、魅力でもある。
人の声が聞こえる教室を片っ端から開けていく。
違う、ここじゃない。
ここでもない。
次も、その次も、違う。
「どこにいる…っ!」
焦れば焦るほど上手くいかなくなると分かっていても、焦らずにはいられない。
失いたくない。その一心で彼女を探す。
「…っ」
何かが聞こえた気がする。
僅かな望みにかけて声のもとを探す。
「誰かっ!」
聞こえてきたのは彼女の友人の声。
まさかっ!
助けて、と言うその人を横目に瓦礫の下に見える白い何かに近づく。
違う。
そんなわけない。
でも
「■■■■っ!」
どこからどう見ても彼女そのもので。
疑いないくらい、彼女は冷たくなっていて
また明日、と笑う彼女がもうここにはいないことを嫌でも理解させられて
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ!!!」
言葉にならない声をあげた。
全ての音が遠ざかっていく
「―すまない」
どこからか聞こえた唯一の声も理解する気にもなれず、俺は_
…




