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130話

体調不良のため、少々短いです。すみません。

 翌日、拓郎が用意していた朝食を食べた後に家の建設に取り掛かる生徒達&教師。魔女3人に加えて拓郎もサポートに回った。さらに生徒達も教師陣も建設系統の魔法に徐々に慣れだし、制作速度は確実に早くなっていた。


「木材から直接家を作れと言われた昨日はどうなるかと思ったけど」「やってみると、今まで学んできた魔法の使い方の応用って所ばっかりだったな。ちゃんと訓練してきた事が活かせるようになってる」「魔法大工という就職先も選択肢に入りそう」「ちゃんと魔法の訓練になってるのは、流石って感じだな」


 と、生徒達も趣旨を理解して真剣に取り組んでいる。もっとも、扱うのが重量のある木材なのだからふざけた事をすれば悲惨極まりない結果につながるからこそ、真剣になれないのであればここに居る資格がない。生徒達は一つ一つの木材に真剣に向かい合って処理を続けている。


「災害時にも、資材があればこれだけの家を作れるようになるという技術を生徒が自然と身に着ける……こういった訓練は今までありませんでしたな」「ええ、今までは威力を上げる、レベルを上げると言った訓練ばかりでこういった魔法で物を作り、組み立てるといった事は一切……」「様々な経験を積むことで、ただの魔法使いではなく他者を助ける事が出来る魔法使いになる──いあっまでの我々にかけていた視点かも知れません」


 教師陣は、今回の魔法を使った家の建築という最初の行動にそういった意見を出し合っていた。今回の材料は木を伐り出して加工を行う木材だったが、この経験があれば地震災害などが起きた時に避難所として仮設住宅を廃材を流用して作れるようになる。直接雨や風にさらされない場所があるというだけで、人の生存率は高まる。


「それにこの材料の加工にはかなりの技術と知識が必要になります。適当な加工では土台すら歪んで使い物になりません。きっちりと歪まないようにくみ上げる正確性、そして耐久性を兼ね備えるように作らなければなりませんから」「魔法で調べて適切な形に揃えて組み立てられるようにする。これらをよどみなくできるようになれば、自然と魔法の腕は上がりますよ」「魔女の訓練はやはり、常人の考えのはるか上を行きますね。学ぶところが多いですよ」


 と、家の建築を行う手は動かしつつ頻繁に意見交換を行っていた。さて、そんな様子を見た拓郎はサポートの重要性も薄れてきたと感じていた。家の建築で困っている班は明確に減り、後はクレアたち魔女3人で十分回る。なので拓郎はある物を新しく作り始めた。木材を多数切り出し、魔法で大量に運搬して作業を始める。


 そんな拓郎の行動は誰目にも入っており──フレーナが作った昼食であるパン、サラダ、スープ、ハンバーグと言った料理をだれもが食べながら拓郎が作っているものに目を向けていた。


「なんかでかいのを作り始めたよな。なんだ、あれ?」「お昼休憩もそこそこにまた作業に入ってるし……あの規模からして個人で使う物ではなさそうだけど」「あいつが作るんだ、無意味なものじゃないだろ」「気にはなるけどさ、うちらはまず自分が住む家を完成させないと。もたついてたら一週間ごとかになっちゃうよ」


 と、気にはなるがまずは自分達が住む家を作らないとという意見でまとまり、拓郎の行動はいったん忘れ去られる。拓郎が何を作っているのかを知ったのは、彼らが晩御飯を食べ終えた後だった。


「よし、完成。おーい、風呂を作ったから入りたい人は使ってくれ! 言うまでもないが、覗きなんかはダメだからなー!」


 という事で、拓郎が作っていたのは風呂だった。男女別の大浴場、お湯は当然魔法で用意している。排水されたお湯は流れる先で魔法で浄化されるように既に仕組みが作られており、環境を汚すことは無い。更に拓郎はあえて告げていないが覗きを始めとした行為に対する防犯魔法も掛けられており、やろうとすれば激痛が襲う。


 昨日は疲れ果てて食事後に眠ってしまった生徒達であったが、今日は慣れもあって多少余裕があった、故に男女ともに拓郎が作った風呂に殺到。脱衣所で服を脱ぎ、各自持参してきた風呂に関連する道具をもっていざ風呂場へ。そこで彼らが見た物は──


「広くね?」「あれ? 俺の目がおかしいのか? 確かに建物は大きかったが、外見とこの内部の広さが一致してないように思えるんだが」「魔法による拡張がかかってるだろこれ……マジか、拓郎はそんな魔法まで使えるのかよ」


 と、彼らが感じた通りこの風呂場にはある程度の内部拡張が行われる魔法が使われている。もちろんこれは拓郎の魔法であり、クレアたちから学んでいた魔法の初お披露目となる。


「今の俺が無理なくできる範囲でやらせてもらった。これならば全員が一斉に入ってもぎちぎちな状態にはならないからな。やっぱり風呂はある程度手足を伸ばして入らないと落ち着かないだろ?」


 と拓郎はやや自慢げに口にするが、他の生徒達はやや引いていた。確かに風呂は広い方が嬉しい、そこは分かるがその為にこんな難易度が高い魔法を使うのか、と。


(やっぱり拓郎もいろいろとぶっ飛んでるよな)(そりゃ魔女から直接指導を受けているんだ、ぶっ飛ばない方がおかしいだろ)(もはや同年代の人間とは思えねえ)


 と言ったひそひそ話も行われるが──体を洗って湯船に入れば、誰もがため息にも似た声を漏らした。ゆっくりと足を延ばして入れる風呂というモノの良さを、一瞬で分からされてしまったからだ。


「あー、すげえ気持ちいい……」「家ではシャワーばっかりだが、こんな風呂があるなら入るのも悪くねーなぁ……」「家の風呂は小さいから、こんな感じで完全に足を延ばして入るって事が出来ないんだよな。魔法を使いまくって疲れた頭にも体にも効くわー」「年寄りくせえなぁ……まあ気持ちいいって所は同意だがよ」


 などと、のんびりとした会話が行われる。女風呂の方も似たり寄ったりで、汗を流してゆっくりを入れる風呂に心身をいやされていた。


「これだけ広いお風呂っていいわねー」「汗でかなり不快だったけど、お風呂を作ってもらえて助かったわ。やっぱりしっかりと体を奇麗にできる場所があるってのは良いわよね」「シャワーだけじゃ物足りないから、こうやってしっかり入れるお風呂を作ってもらったのは正直に言って助かったわ」


 なんて生徒達が会話を弾ませていた所に入った来た魔女3人──それだけで空気が変わった。スタイル抜群な2人と、あまりにも美しすぎるバランスの1人。その3人がただ入ってきて、体を洗って湯船につかる。ただそれだけの動きに、女子生徒達は目が離せなかった。そしてあふれ出す感情から出る言葉、それは──


「すいませんクレア先生、どうやったらそこまで肌がきれいになるのでしょうか!?」「ジェシカ先生、そのプロポーションを身に着ける秘訣は!?」「フレーナ先生、その美し過ぎる動きを身に着けるコツはあるのでしょうか!?」


 であった。最初はクレア達も面食らったが、そこは同じ女性同士。美しくなりたいという感情を理解するのに時間など必要なかった。そして、突発的に始まる美しくなるために行うべき必要な行為を教える授業──これにより、女性側ははるかに長風呂になってしまった。彼女達が風呂から上がった時にはすでに、男性側は全員眠りについていた……

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