親衛隊の日常7
十歳の時に希望が通り、兵士になるための勉強が始まってから一年が経った。
十一歳になった私は、相変わらずクソな教官どもに文字通り泥まみれにされながらも、なんとか必死に食らいついていた。
「おら! そこ! 寝ている暇があるなら、寝転んだままでもかかってこい! 起きねえならそのまま踏みつけるぞ!」
糞が。大人の本物の兵士が、まだ十一の子ども相手に少しは手加減をしやがれ!
「はい、教官殿……ッ!!」
怒号に抗って声を張り上げるものの、視界がぐわんぐわんと激しく回る。
お腹に受けた衝撃のせいで、せっかくの朝ご飯が口から逆流してきそうだ。
死ね。死ね、死ね、クソ教官……っ!
「返事だけか! さっさと起き上がるか、立てなくても、泥を這い転がってでもかかってこんか!」
糞、糞、糞……っ!
まともに動けないのを分かっていて、好き放題に言いやがって!
あ、駄目だ。う、おえ――っ。
強烈な吐き気に襲われ、私はその場に激しく嘔吐した。
「一人脱落! 救護室に連れて行け。――午後の仕事は休んで良し、次の者!」
遠ざかる教官の冷淡な声を聞きながら、私は這いつくばったまま悔し涙を泥に落とした。
体力が足りない教官が悪いんじゃない。理不尽な訓練が悪いんじゃない。
何より、こんなシゴきや勉強にすら満足についていけない、私自身が一番クソなんだ――っ。




