親衛隊の日常4
「兵士になりたい、ですか」
私が進路希望を伝えると、目の前に座った役人様は、驚いたようにその理由を尋ねてきた。
私は胸を張って、自分の心にある想いを正直に打ち明けた。
「はい! 親に捨てられた私を、国が救ってくれました。普通の庶民では考えられないくらい恵まれた環境で、毎日ご飯を食べさせてくれて、勉強まで教えてくれました。この大きなご恩に報いる一番の近道は、国を守る兵士になることだと思うんです!」
私のまっすぐな言葉を聞いた役人様は、愛おしそうに、優しく私の頭を撫でてくれた。
「君のその未来が掴めると良いね。応援するよ」
役人様はそう言って微笑み、それから少しだけ声を落とした。
「……でもね。この国において、ただの徴兵ではなく、戦うことだけを本分とする『専属の兵士(常備軍)』になるのは、本当に狭き門なんだ。もしその道を選んだら、明日からの勉強や訓練は、今の比ではないくらい厳しく、大変なものになる。……それでも、本当にどうする?」
そんなの、答えは決まっている。
「はい! もし希望が叶うなら、私は兵士になるためのどんなに厳しい勉強でもやりたいです!」
私が間髪入れずに答えると、役人様は一瞬だけ、何かを堪えるような、少し悲しそうな表情を浮かべたように見えた。
けれど、役人様はすぐに静かに頷き、真剣な眼差しで私を見つめた。
「分かった。君の国を想うその純粋な気持ちに、敬意を表そう。――私からも、上へ強く推薦しておくよ」
「やった……! ありがとうございます、役人様!」
明日から、ついに本物の兵士になるための勉強が始まる。
嬉しくて、私は役人様に何度も何度も頭を下げた。




