親衛隊の日常25
ついに、戦車の上に乗って戦う訓練が始まった。
――って、いや無理!
こんなに激しく揺れる車の上で、どうやって戦えって言うのよ!?
全力で走っている戦車の上なんて、ただ立っているだけでも、文字通り振り落とされまいと必死にしがみつくばかりなのだ。
この訓練の時ばかりは、普段の教官たちすらただの補助役にまわり、正規軍の戦車隊に配属されている本物の現役兵の皆さんがわざわざ教えに来てくれる。そのこと自体が、この訓練の難易度の高さを物語っていた。
「ははは! 気にしなくていいよ皆さん。初めて戦車に乗って、下に落ちなかっただけでも十分に合格点さ」
現役の先輩兵士は、激しく揺れる車上で事もなげに笑う。
だよね! 車輪が小さな小石を踏んだだけでも、身体が宙に跳ね上がるのだ。やばすぎる。
先輩たちは一体どんな身体のバランスをしているのだろう。なんでこんな狂った振動の中で、平然と弓を射たり武器を扱ったりできるのか、心の底から尊敬してしまう。
だってこれ、まだ綺麗に整地された軍事都市の演習場での話なのだ。
これが外の、でこぼこした荒野だったらどうなるのだろう。……うわ、想像するだけで眩暈がしてきた。
何か特別なコツでもあるのかな。それとも、ひたすら乗って鍛える「慣れ」なのだろうか。
それでも――やっぱり、戦車の乗員ってめちゃくちゃ格好よくて憧れる。
もし自分が戦車を乗りこなせるようになったら、最高じゃない?
卒業までに、この訓練があと何回あるのだろう。
絶対にコツを掴んで、乗りこなしてやるんだから!




